2021.06.17

<レバンガ(元)担当 石川ひとみ’s eye>9 「推しが移籍した。茨城ロボッツに行くらしい」ー。

北海道新聞・道新スポーツとバスケットボールキングのコラボ企画。レバンガ北海道の協力も得て、北海道のバスケ情報をお届けします。

 6月12日に放たれたレバンガ北海道多嶋朝飛選手移籍のリリースにレバブー、とりわけ「あさひたん推し」の皆さまは、複雑な気持ちになったことでしょう。多嶋選手は道産子でレバンガ北海道の看板選手。インパクトは十分だったと思います。

<レバンガ 多嶋が茨城に移籍>
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/554828

■中学時代のわたしの推しも

 推しが移籍した。茨城ロボッツに行くらしいー

 今回のタイトルは、今年1月に芥川賞を受賞した宇佐見りんさんの小説「推し、燃ゆ」の冒頭を拝借しました。この作品をきっかけに一般にも市民権を得た「推し」という言葉。小説の主人公は推しであるアイドルのスキャンダルに心が乱され、「推しは命に関わる」と言います。

 まさにいま、多嶋選手や他選手の移籍に動揺している方も多いでしょう。SNSでも涙のコメントを多く拝見しました。推しの新しい挑戦を応援したい気持ちがありつつ、去っていくことに感じる寂しさ。自由交渉リストに名前が載った時から覚悟していたとしても、それでもずっと北海道にいてくれると思っていたのに、わたしを置いていかないで…。

 心中お察しします。いや、ってか、めっちゃ分かります。なぜかって、わたしも中学生の時、推しの移籍を経験しましたから!! 理屈抜きで辛い案件ですよね。

 当時、北海道コンサドーレ札幌に所属していた吉原宏太さんを応援していたわたしは、厚別競技場に足繁く通ったり、出待ちをしてサインをもらったり。一眼レフカメラを購入して、当時1000円程度で購入できたチケットにお小遣いを注ぎ込み、選手の写真を撮ったりもしていました。

■「リアコ」でした

 今振り返れば、ホームゲームはほぼ観戦する、相当に熱心なファンでした。ドン引きするほどに。なので、北海きたえーるのアリーナで、熱心に一眼レフカメラを構えたり、熱心にタオルを振って推しを応援するファンは過去のわたしそのものです。今は落ち着いたもので、スポーツを大人しく観戦し、尊いものを拝む境地でジャニーズの「自担」を眺めていますが、中学生だったわたしは、某選手にリアルに恋してる状態「リアコ」でした。

<2021年4月17日、帯広市>地元帯広でのゲームでBリーグ通算2000得点を決めるなど活躍した多嶋
=17日午後、よつ葉アリーナ十勝(小川正成撮影)

 だからこそ、吉原選手の移籍は衝撃でした。日本代表に選ばれたり次々とゴールを決めたり、推しの活躍は誇らしくあれど、移籍へのカウントダウンでもあったのです。そして、シーズンオフに発表された推しの移籍。分かっていたのに、やはりショックなものはショックでした。

■プレゼントをもらいました

 もう、近くで見られないー。しばらく打ちひしがれていましたが、推しがいなくても、厚別に観戦に行きたくなるし、ミーハーな気持ちが転じて試合を取材してみたいという思いがいつの間にか生まれていました。あれはとても不思議な体験でした。そして時は流れていま。スポーツを取材して、担当を離れてもコラムを書いて。振り返れば、推しの残したものはとても大きかったのです。きっと、あれは、寂しさにカモフラージュされた、推しからのプレゼントだったのです。

 と、ここまで、わたしの思い出話をつらつらと書いたわけですが、何を言いたいかというと「推しのおかげで出会えたものは何だったのか」を考えることが、推しと別れる痛みを和らげることもあるよ、というススメです。

■病める時も健やかなる時も

カッコいいあなたに会えた。眼福、目の保養をありがとう。
あなたを応援したくてアリーナに通ったら友達ができました。
最初はあなたを見たかっただけなのに、競技やチームを好きになりました…。

 スポーツに移籍はつきもの。選手は去っていくわけですが、「何が残ったか」を考えると、寂しさどころか、幸せが見つかることもあるんじゃないかなって、わたしは思います。移籍しても選手を応援し続けることはできますから!!

 大きな気持ちで、「行ってらっしゃい」と手を振ることが、「推し、燃ゆ」にある「病める時も健やかなる時も推しを推す」ならぬ「移籍する時も残留する時も推しを推す」そんな境地に連れていってくれるのだと思います。

 移籍で動揺するままならない気持ち、今はそのままで。別れを惜しむ気持ちも、悲しみも、推しへの愛を深める第一歩に。

■関連リンク
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