2021.09.18

【B1クラブ展望/秋田】クラブの“顔”が戻り、戦力は上々…優勝戦線に名乗りを上げられるか

今シーズンの秋田はCS出場が至上命題となる[写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 一昨シーズンは一時白星を先行させながらも、3つ負け越しの時点でシーズン打ち切り。そして昨シーズンも、秋田ノーザンハピネッツは開幕4連勝と上々のスタートを切ったが、終わってみれば3つの負け越しとなった。カディーム・コールビーの戦線離脱などがあったとはいえ、優勝の目標を明確に掲げていただけに前田顕蔵ヘッドコーチとしては悔しい想いもひとしおだろう。

 しかしながら、実り多いシーズンであったことも事実。アレックス・デイビスはコールビーを上回るリムプロテクターとして個人タイトルを獲得し、長谷川暢大浦颯太ら若手も台頭。そして、保岡龍斗が日本人エースにのし上がりつつあることは何よりも大きく、加えて今夏の東京オリンピックに3x3日本代表として出場した経験はチームにとっても大きな財産になる。

 今シーズンは主要メンバーを残しつつ、効果的な補強に成功している。ジョーダン・グリンは昨シーズンのB2デビュー戦で10本の3ポイントを沈めたシューターで、コルトン・アイバーソンは212センチのサイズを持つビッグマン。コールビーがインジュアリーリストから抹消された時に、デイビスを含めた誰か1人を選手登録から外さなければならないという贅沢な悩みを抱えることになる。また、日本人選手では昨シーズン圧倒的数字でスティール王に輝いた川嶋勇人を獲得。秋田のディフェンスはさらに脅威となる。

 予想スターターには大浦、保岡、川嶋、デイビス、アイバーソンの5人を推したい。田口成浩古川孝敏伊藤駿といった経験値の高い選手が後ろに控えるのは、どんな試合展開にも対応可能。川嶋と中山拓哉を同時起用する超強力ディフェンシブラインアップも面白そうだ。

 今シーズンこそはチャンピオンシップ出場が至上命題となるが、その手応えを十分に感じさせるオフシーズンを過ごした秋田。東地区のライバルを引きずり下ろし、優勝戦線に名乗りを上げることができるか。

■KEY PLAYER/SG #5 田口成浩

[写真]=B.LEAGUE


 秋田の顔とも言うべき選手が戻ってきた。田口成浩は秋田をB1に復帰させた後、3シーズン過ごした千葉ジェッツでリーグ制覇を達成。天皇杯も含めて優勝の喜びを味わった田口が、愛する故郷のクラブに何をもたらすかという点は非常に興味深い。今シーズンの秋田の浮沈を握る選手であることは間違いない。

文=吉川哲彦

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