2021.09.24

【B1クラブ展望/大阪】殻を破ったエヴェッサ…“天日イズム”浸透でさらに上を目指す

病を乗り越え、再び大阪の指揮をとる天日HC[写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 クォーターファイナルで敗退したとはいえ、昨シーズンの大阪エヴェッサは初めてチャンピオンシップを経験し、殻を破った。それ以前はCS争いに加わってもここぞという重要な試合を落として脱落してきたが、一昨シーズンに阿部達也GMが就任し、bjリーグ時代に3連覇を達成した天日謙作ヘッドコーチを呼び戻してからは再浮上。

 昨シーズンはその天日HCが開幕前に病を患って戦列を離れながらも好成績を残し、着実に地力が増したことを証明してみせた。故障者が出ていなければ西地区優勝も決して不可能ではなかっただろう。

 1つの目標を達成し、今年はさらに上を目指すシーズン。もちろんその準備に抜かりはなく、三遠ネオフェニックスで安定した活躍を見せたカイル・ハントを獲得し、一昨シーズンに一度契約を結びながら開幕前に大ケガで契約解除せざるを得なかったペリー・エリスを再び迎え入れた。

 昨シーズンのエリエット・ドンリーと同様に、ジャワラ・ジョセフやザック・モーアという日本国籍を持つ選手も加入。そして、最大の目玉補強となったのが竹内譲次だ。さらにサイズアップしたなかでも、エリスは昨シーズンB2で3ポイント成功率2位というシュートの達人であり、竹内も強豪アルバルク東京でその3ポイントが重要なオプションとなっていたとあって、大阪のオフェンスは確実に厚みを増す。

 スターターは中村浩陸、ニュービル、アイラ・ブラウン、竹内、ハントの5人が予想される。中村に関しては合田怜木下誠との熾烈なスターター争いも見もので、ポイントガードの競争がチームを活性化することも期待できる。

 昨シーズン終盤に離脱しながらもベストシックスマン賞を受賞した橋本拓哉は得点源として一刻も早い復帰が待たれ、B3の日本人1試合最多得点記録を塗り替えた青木龍史もB1の水に慣れれば不気味な存在になるだろう。

 昨シーズン終盤に復帰した天日HCは、今シーズンは開幕から万全の体調で指揮を執る。7人を数える新加入選手が天日イズムをいち早く吸収し、フィットすることができればリーグ制覇も現実的な目標となるに違いない。

■KEY PLAYER/PF・C #15 竹内譲次

[写真]=B.LEAGUE


 竹内は大学時代からの長きにわたる日本代表での活動に加え、天皇杯とリーグの両方で優勝を経験してきた選手。地元・大阪出身ということもあり、その活躍が他の選手に及ぼす影響は計り知れず、今シーズンの大阪の命運を左右する存在と言っていいだろう。

文=吉川哲彦

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