9月30日に2021－22シーズンの幕が開けるBリーグ。今シーズンも熱い戦いが期待されるなか、開幕戦で相対する辻直人（広島ドラゴンフライズ）と橋本竜馬（レバンガ北海道）が合同取材に応じた。

　迫る開幕戦について、辻は「ドラゴンフライズにとってもシーズンの勢いをつけるために大事な2戦になっていくと思うので、僕自身もチームファーストで勝利のために、内容はどうあれ、まずはこの開幕戦の2連勝を目標にして頑張りたい」と意気込むと、橋本は「チャレンジャー精神を持って、アグレッシブさや積極性を失わずにやることが、まず大前提になってくる。自分たちのバスケットをやっていくことを念頭に置いて、しっかりとした船出をしていきたい」と力強くコメントした。

　広島はカイル・ミリング氏、北海道は佐古賢一氏と新たなヘッドコーチが就任した両チーム。新加入ながら副キャプテンを務める辻は、今シーズンの広島について「すごく理解しやすいバスケット」と語った。

「みんながボールを触り、みんなでしっかり攻めていくというオフェンスのスタイルだと思います。ディフェンスは激しさがありつつも、スティールを狙うというよりかは、イージーシュートをやらせないというスタイルです。まだチーム全体が理解して、コートで表現するというのは完璧にはできていないので、シーズン中にどんどんエラーが出てくると思いますが、そこをクリアしていけたらおもしろいバスケットをお見せできるんじゃないかなと」

9年間に渡り在籍した川崎ブレイブサンダースを離れ、広島に加入した辻 [写真]＝B.LEAGUE

　一方、今シーズンも北海道のキャプテンに就任した橋本は「躍動感のあるバスケットをしたいと佐古さんもおっしゃられていますし、選手一人ひとりが自分のやることを徹底するチームだと思っています。毎試合、誰がヒーローになるか分からないチーム作りをしているので、全員に活躍するチャンスがあるのが強みになってきます。そうでなければリーグで戦っていけないと思っているので、選手全員がアグレッシブに戦うところ、チーム全体でディフェンスをしているところを見てもらいたいです」と語り、こちらも新指揮官のもと新たなチーム作りに励んでいるようだ。

　チームとしてはプレシーズンゲームで見つかった課題を改善中だと話す辻。開幕戦のポイントについては「40分間戦い切れるかだと思います。出だしで北海道の激しさに押されてしまうと難しい試合になる。出だしから終わりまで集中力を切らさず、どれだけ自分たちを信じられるかが勝敗を分けると思います」と明言。

　対して橋本は「開幕戦に重要になってくるのは、リバウンドと最後まで自分たちが勝ちたいと思うこと、それに尽きると思います。コート上もベンチも含めて、1点でも勝ちたいんだという気持ちがリバウンドとかに繋がってくる」と語り、両者がメンタル面の重要性を説いた。

　監督に加えて、選手の補強にも大きく動いた広島。大きく変動したチームについて、辻は「選手も監督も変わって、練習量はまだそこまでできていないので、目の前の課題をクリアしていくことに目を向けてやってきました。そこはシーズンを通して継続していかないといけない部分です。僕も副キャプテンに就任することになったので、昨シーズンのような連敗が重なってしまったときも、チームのベクトルを一つに向けられるようにやっていきたいです」と語り、チームとして成熟するにはもう少し時間がかかりそうだ。

昨シーズンの対戦では、ホームの北海道が広島に2連勝を飾った [写真]＝B.LEAGUE

　60試合通して自分たちを信じてやり続けることが大事だと話す橋本は「どうしても勝敗がついてこなかったりするときに、これでいいのかとなるときが来ると思います。そうじゃなくて、自分たちがやっていることを信じて、それを徹底していくことをやり続ける。それは1試合目から60試合目まで変わらないなと」とコメント。

　さらに「選手やコーチ、選手同士もそうですし、そこでコミュニケーションを取り続けること。一生懸命練習し続けること。練習中も試合中も元気にやり続けること。シンプルなことを常に意識してオフシーズンをやってきたので、それをまず開幕戦で出せたらいいと思いますし、60試合続けていけたらいいなと思います」と語り、新たなシーズンへ気合は十分なようだ。

　昨シーズンは、広島が西地区の10位に、北海道は東地区の10位に沈み、苦しいシーズンを送った両チーム。互いに指揮官や選手を入れ替え、心機一転で臨む開幕戦はどちらに軍配が上がるのか注目だ。広島と北海道の開幕戦は、10月2・3日に広島サンプラザホールで行われる。