2021.10.16

広がる「オンラインサロン」 レバンガのケースに見るメリットと将来は?

レバンガ北海道のオンラインサロンの画面
北海道新聞・道新スポーツとバスケットボールキングのコラボ企画。レバンガ北海道の協力も得て、北海道のバスケ情報をお届けします。

 コロナ禍でオンラインによるコミュニケーションが一般化し、私たちの生活スタイルは大きく変化した。会員制のコミュニティーである「オンラインサロン」も注目を集めている。レバンガ北海道は2020年、コロナ禍の広がりと同じ時期に偶然、オンラインサロン「One Hoop」を開設。246人(9月末現在)のファンが参加している。オンラインサロン開設の意図や狙いはー。オンラインサロンのプラットフォームを運営するスタメン(名古屋市)森山裕平取締役に話を聞いた。

オンライン取材に応じるスタメンの森山裕平取締役

―そもそもオンラインサロンとは。
レバンガのように一つのテーマやビジョンにひかれた人が集まるコミュニティー型のものであったり、塾などでレッスンしていたものをオンライン化したもの、知識やノウハウ、スキルを学ぶためのサロンもあります。

―レバンガの場合は。
ファンクラブは以前からありました。加えて2019年ごろ「ファンとクラブが交流してコミュニケーションを取るような場所をチーム創設10年のタイミングでつくりたい」と、横田陽最高経営責任者(CEO)から話がありました。ファンクラブのように単純にコンテンツ消費を楽しむというより、サロンを通じてクラブと繋がり、一緒に運営を盛り上げていくという体験が価値です。

■ファンの「当事者意識」をつくる

ーレバンガのサロンの特徴は。
 すてきだなと思ったのは、ファンがクラブのことを考えて発信していることです。例えばホームゲームの時にスポンサー企業が飲食店を出していれば「試合を見ながらその商品を食べたい」といったアイデアが出たりとか。

 アイデアがあってもクラブに直接伝えるには壁がありますし、会員制交流サイト(SNS)に投稿しても拾ってもらえない。「サロンで意見をもらえれば検討します」と募ったところ、そんなアイデアや意見が何件か出てきました。ファンからすると自分たちもクラブ運営に貢献できているという、当事者意識をつくることに成功してるのかなと思っています。

 また、横田CEOがサロン運営に関わってるってのがキーポイントです。他のクラブだと、トップがそこまでやっているケースはなかなかありません。クラブのトップがサロンに入ると運営の目線の話もきけるので、コンテンツとしての魅力が高まります。

■コロナ禍で注目高まる

 ―コロナ禍とオンラインサロンの関係は。
「オンラインサロン」という言葉でのネット検索数は上昇していますし、新たに立ち上がったサロンも非常に多い状況です。やはりコロナの影響で、オンライン化せざるを得なくなったのだと思います。

―他のスポーツチームからサロン開設の引き合いが増えたということはあるのでしょうか。
 スポーツチームに限らず、水族館がサロンを始めた例があります。他にはタレントさん。テレビ収録のありかたも変わり、営業活動自体ができなくなってしまっていたりもします。また、フィットネスも増えてきた印象があります。

―リアルではなくオンラインだからこそ、できることはありますか。
 リアルだと、時間や距離などの制限、制約がどうしても出てきてしまいます。本州在住のファンが試合を見に北海道へ行くのは移動が大変。でも、オンラインサロンは全国どこにいても世界とつながることができます。レバンガには道外ファンが一定数いて、サロンメンバーはファンクラブの属性とはまた違っていて、これもオンライン化のメリットかなと思います。

ーファンクラブとサロンの違いとは。
 ファンクラブは試合をベースにしてるので、試合を観戦しに行ける環境の方が入りやすい構造です。レバンガのファンだけど東京にいて、なかなか試合を見に行けないのでファンクラブに入らない。けど、サロン形式だったら自分も応援できるし、参加出来るから入りました、というファンもいます。

■ファンとクラブの関係を密に

―オンラインサロンの今後は。
 コロナがなくなったとしても、オンラインサロンはファンとクラブの関係をより密にしていくものとして、存在感が高まっていく可能性は高いと思います。いまはオンラインに活動が集約されてますが、コロナ禍が収束すれば、オンラインからオフラインという動きもできるでしょう。

 SNSから受動的に得る情報と、主体的に入っているサービスで得る情報とでは、当事者意識が変わってきます。水族館の場合、毎日オンラインサロンを通じてイルカを見ていると、「あの子が大きくなったのを見に来ました」とか、顧客のエンゲージメントが上がっていると聞きました。エンゲージメントをあげる一つのツールサービスとしてオンラインからリアルに戻って、リアルからオンラインにという、相互の行き来をしやすくなるので、サロンはより普及していくのではないかと考えています。

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