2022.02.17

【井口基史のスカウティングレポート(前編)】やっぱり気になるクラブのお金について

千葉が2020-21シーズン営業収入ランキングでトップに立った[写真]=B.LEAGUE
鹿児島南高-愛知学泉大-カリフォルニア州立大ベーカーズフィールド校-ベーカーズフィールドカレッジ出身。帰国後FIBA国際代理人資格をアジア初の受験取得。プロリーグ発足後まもなく資格返納しチームスタッフへ。富山-滋賀-岩手-大阪でスカウト/通訳/GM/クラブ代表を経験。現在は様々なカテゴリーのバスケ解説を務める。座右の銘「一緒に日本のバスケを熱くしよう!」

 コロナの影響がクラブにどこまであったのか。2021年12月に発表された「2020-21シーズン(2020年度)クラブ決算概要」から皆さんのマイチームとリーグの仲間の現在地を確認しておきましょう。

 昨年の記事はコチラ

 文=井口基史

ウチのチームは黒字? 赤字?


 まずコロナの影響により2019-20シーズンは中止、2020-21シーズンも入場制限があったため、厳しい環境の中でチームだけでなく、クラブ全体でファイトしなければならない状況でした。Bリーグが発表している決算概要によると、現在のB1で7クラブ+昇格組1クラブ(A東京、川崎、横浜、新潟、三遠、滋賀、琉球、群馬)が赤字決算となったのはその影響を反映していると思われます。

 クラブ決算概要資料はコチラ

 B1・B2全体では全36クラブ中17クラブが赤字。シーズンや規模の違いなどがあり一概には言えませんが、Jリーグの発表を見ると、3月決算を除く全53クラブ中34クラブが赤字です。契約選手数などがコンパクトなバスケはコロナのダメージが少なかった可能性があります。現在のB1の営業収入だけを切り取ってみると下記のようになります。

【営業収入増加】12クラブ
千葉、大阪、宇都宮、琉球、名古屋D、SR渋谷、広島、秋田、島根、富山、信州、群馬

【営業収入減少】10クラブ
A東京、三河、川崎、北海道、三遠、横浜、京都、滋賀、新潟、茨城
 
 コロナの影響があっても半分以上のクラブが営業収入増加できたということはクラブの努力はもちろんですが、スポンサーはもちろん、チケットや物販などでクラブを支えたファン・ブースターの存在が大きかったことも想像できます。特に大企業の下支えがないクラブはその影響が大きかったはずで、チームがみんなのものになっているかがコロナのような緊急事態時に現れそうな気がします。

すでに6クラブが新B1基準をクリア

 ファン・ブースターの興味が集まる2024年10月初回審査、2026-27シーズンから開始する新B1入会に必要な「売上高12億円」を突破しているのはすでに「6クラブ」もあります。みなさん! 1次審査で新B1に参入するには来シーズンから2期連続で12億円以上、平均4000人が必要なのを忘れないでください!

【新B1入会基準】
●売上高:12億円以上
●入場者数:平均4000名以上
●アリーナ:新設アリーナ基準充足

 審査は1~4次まであるため、推移は注意深く見ていく必要がありますが、マイチームの新B1への距離感は理解したうえでシーズンを過ごしていきたいですね。最近になって新アリーナ計画の報道が相次いでいるのは、この審査の準備のためですので千葉ジェッツが東京ベイと名の付くホーム!?という疑問点(ネタです! 怒らないように!)以外は明るいニュースとして見守りましょう。

 次回はプロスポーツの大事な要素「トップチーム人件費」ランキングについてレポートします!

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