2022.05.11

【チャンピオンシップ出場チーム紹介②】千葉ジェッツ(東地区1位)

激戦の東地区を制した勢いのままCSに挑む [写真]=B.LEAGUE
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019ワールドカップ等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。

レギュラーシーズン上位8チームによる「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2021-22」がいよいよ幕を開ける。出場チーム紹介第2回目は千葉ジェッツ。激戦の東地区を制した前回王者を紹介する。

 昨シーズンはBリーグが始まって3度目のファイナル進出で、念願の初戴冠を遂げた千葉ジェッツ。今シーズンも全体の勝率1位こそ琉球ゴールデンキングスに明け渡したものの、通算4度目、3年ぶりの東地区優勝を果たした。今季のCSでは2017-18、2018-19シーズンで王座に就いたアルバルク東京以来のリーグ連覇を狙う。

 視界は良好だ。レギュラーシーズンは新型コロナウイルスの影響で履行試合数がB1で最も少ない「45」だったものの、ビッグマンのジョン・ムーニーと身体能力の高いクリストファー・スミスの2人の新加入選手が期待どおりのいいパフォーマンスを見せ、シーズン前に懸念されていたセバスチャン・サイズ(A東京)やシャノン・ショーター移籍後の穴を埋める活躍をした。また、2月の日本代表戦にも出場した佐藤卓磨が3ポイントシュートの力量を向上させ、前シーズンまでよりも、よりシューティングガードとしてプレーし、コートを広く使えるようになったことも評価したい。

 新加入選手の加入や、ギャビン・エドワーズが東京オリンピックで負った肩の故障で出遅れたことなどもあって、シーズン序盤から中盤の千葉は、やや苦しんだ。開幕戦では島根スサノオマジックに敗れたほか、大補強を施した群馬クレインサンダーズなどにも苦しめられ、2021年内で6敗を喫した。それでも徐々にチームのケミストリーを上げた。

 前述のとおり、昨シーズンからの選手の入れ替わりはあったものの、タレントの豊富さやロスターの層の厚さはB1トップと言っても過言ではない。その戦力を十全に駆使しつつ、シーズンでは、平均得点はB1で2位の88.1得点をマークした。失点もB1上位で、攻守で高いレベルのプレーぶりを展開した。

 注目したいのがB1で3位の平均22.8本というアシストの数。これが指し示しているのは、チームがずっと標ぼうしてきたトランジションオフェンスと、ピック&ロールからズレを作って、そこからボールを回してオープンな選手を探すということが例年以上にできているからではないか。

 あえて懸念を挙げるとすればショーターが去り、試合終盤の接戦で頼れる個の力というところになるが、富樫勇樹の勝負強さは年々増していることや、セカンドチャンスを生み出すオフェンスリバウンドの強さなどがそこを解消する。

 ただし、千葉の連覇が盤石かと言えば無論、そうではない。シーズン佳境には川崎ブレイブサンダース宇都宮ブレックス琉球ゴールデンキングスといったCS進出チームに敗戦しており、事は用意に運ばないはずだ。

 それでも、クォーターファイナル、セミファイナルをホームコートで戦えること、またチームのトップスターである富樫の勝負強さなどを考えると、再度、優勝決定戦へ歩みをすすめる可能性が大半のチームよりも高いのは間違いない。

司令塔の富樫がチームをけん引する [写真]=B.LEAGUE

文=永塚和志

■クォーターファイナル(vs宇都宮ブレックス@船橋アリーナ)
第1戦:5月14日(土)15:05開始
第2戦:5月15日(日)15:05開始
第3戦:5月16日(月)19:05開始※結果により開催されない可能性あり

■ロスター
・千葉(HC:大野篤史)
ジョシュ・ダンカン
富樫勇樹
赤穂雷太
大宮宏正
二上耀 ※特別指定
西村文男
大倉颯太
佐藤卓磨
藤永佳昭
ギャビン・エドワーズ
ラシードファラーズ
原修太
ジョン・ムーニー
クリストファー・スミス

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