2022.09.27

【B1クラブ展望/三河】昨季の悔しさを糧に…“ビッグラインナップ”でCS出場を

三河は昨季惜しくもCS出場を逃した[写真]=B.LEAGUE
日本サッカー協会を経て、フリーランスのスポーツライター・カメラマンに。東海地方を拠点に、サッカー、バスケットボールなど様々なスポーツの取材を行う。

 今シーズンのシーホース三河は、昨シーズンの最終戦でチャンピオンシップ進出を逃した悔しさをモチベーションに戦う。

 ここ数シーズンはオフのたびに半数の選手が入れ替わり、チーム構築に苦戦してきた。とりわけ昨シーズンは長年チームを引っ張ってきた金丸晃輔が移籍し、メンバーが大きく若返った。厳しい戦いになることが予想されたが、西田優大角野亮伍長野誠史らがステップアップ。最終的にCS争いを演じられるところまで成長したのは大きな収穫だった。

 難しかったのは、アンソニー・ローレンスⅡの加入した前後でチームカラーが大きく変化したことだ。テンポの速い得点力のあるスタイルに変わり、平均得点が約5点、ファストブレイクポイントが3.3点増えた一方、平均失点が6点増え、リバウンドは1.8本減った。

 ただし、昨シーズン試行錯誤したぶん土台はできている。「昨シーズン終盤に展開した、流れの中で走るオフェンスを継続しながら、リバウンドとディフェンスを強化したい」と鈴木貴美一HCは話す。

 ロスターも途中加入のローレンスⅡを含む9選手が残留。ディフェンス力に長けたカイル・オクイン、韓国リーグで研鑽を重ねた長身ポイントガードの中村太地、インドネシア代表のエースであるブランドン・ジャワトを獲得し、的確な弱点強化に成功している。

 開幕時のスターターは新加入PGの中村と、西田、ローレンスⅡ、シェーファーアヴィ幸樹ダバンテ・ガードナーと予想する。全員が身長190センチ以上、平均198センチのビッグラインナップは強力な武器だ。チームの総力も厚みを増しており、対戦相手によって様々な布陣を組むことができる。

「昨シーズンの時点で力があることは示せている」(柏木真介)。味わった悔しさを糧にチーム全員が同じ方向を見て戦い続けられれば、CS出場以上の結果も見えてくる。

■KEY PLAYER/C・PF #6 カイル・オクイン

 新加入3選手の中でも注目は、NBA8シーズンで472試合に出場した実績を持つオクインだ。鈴木HCは「ディフェンスとリバウンド」に期待していると話したが、プレシーズンゲームでは合流してわずか2週間ほどながら、カットインする西田、角野らに絶妙なタイミングでパスを供給し、攻撃でも存在感を示した。

「自分の武器は、チームが何を必要としているかを理解して実行できること」。献身性とバスケットIQが高いビッグマンには、若いチームメートのポテンシャルを引き出す役割も期待される。

 文=山田智子

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