2022.10.16

サンロッカーズ渋谷の井上宗一郎、“元NBA3人”の環境で日々成長「勉強になることが多い」

今シーズン3試合目で初得点を記録したサンロッカーズ渋谷の井上宗一郎 [写真]=B.LEAGUE
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「2分」。これはサンロッカーズ渋谷井上宗一郎が2022-23レギュラーシーズンのB1リーグ第2節までにプレーした合計時間だ。

 201センチ105キロのパワーフォワードは昨シーズン終了後、トム・ホーバスヘッドコーチが指揮を執る日本代表に初招集され、7月の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window3でデビュー。「FIBAアジアカップ2022」、「SoftBank カップ 2022」、Window4とオフシーズンに行われたすべての日本代表戦に出場し、“ホーバスジャパン”で評価を上げてきた。

 だが、外国籍選手とポジションを争う所属チームに戻ると一転。10月1日に行われた富山グラウジーズとの開幕戦はベンチ外となり、ロスター入りした第2戦ではわずか2秒の出場だった。秋田ノーザンハピネッツとの第2節でも第2戦のみロスター入りで、1分58秒のプレータイム。ユース育成特別枠を除いて、エントリーできる選手の人数が12人と限られているため、13人の選手を擁するSR渋谷ではベンチ外になる選手が発生する。

 世田谷区立梅丘中学校、福岡大学附属大濠高校、筑波大学と名門で育った23歳は、試合に出られないかもしれないという「不安な気持ち」を持っていたようで、「試合後は個人的に『なんで試合に出してくれないんだ』という気持ちが強かった」。ただ、自分自身を見つめ直し、伊佐勉ヘッドコーチと話し合ったことで気持ちを切り替えたという。

「HCと面談する機会があったので、その時に『自分の悪いところをもっとコーチングしてほしい』と。練習から指摘をより受けるようになり、自分に足りない部分を教えてもらえるようになりました。自分がまだ未熟だということを改めて実感したので、初心に戻ってイチからかなと」

 15日に行われた千葉ジェッツ戦では相手が帰化選手のギャビン・エドワーズに加え、ヴィック・ロージョン・ムーニーのビッグマン3人を同時起用した第2クォーター中盤に出場。今シーズン初めて放った3ポイントシュートを2本中1本を沈めた。指揮官が「自信に満ち溢れていますね。過剰ではなく、すごくいい夏を過ごしたんだなと。出た時には指示どおり仕事はできています」と話したように、3分36秒の出場ながら役割を果たした。

限られたプレータイムでも自身の役割を果たした [写真]=サンロッカーズ渋谷

 SR渋谷にはゴールデンステート・ウォリアーズで2度のNBAチャンピオンに輝いたジェームズ・マイケル・マカドゥのほか、2013年のドラフトでロサンゼルス・レイカーズから指名を受けた名門デューク大学出身のライアン・ケリー、クリーブランド・キャバリアーズでプレーしたケビン・ジョーンズと3人の外国籍選手が在籍。井上は日々のトレーニングから貴重な経験を積んでいるようだ。

「特にライアン選手は4番ポジション(パワーフォワード)でマッチアップします。1対1はもちろんすごいですが、それ以外の部分、オフボールの動き、オープンな状況を作るプレー。目立たない部分でも勉強になることが多いです。3人ともNBAを経験した選手なので、すごく勉強になっています」

 現状の課題について「自分に足りないディフェンスとリバウンドをどれだけ向上できるか」と言及。オフェンスでは、武器の3ポイントは「出たら活躍できる」と自信を見せており、「体作りにおいてもまだまだできることがある」とフィジカル面を強化していく構えだ。

 伊佐HCは「僕のところで少しずつプレータイムを増やせたら」と、井上の起用についてコメント。本人も「今日のような短いプレータイムでもしっかりと活躍できれば、プレータイムが伸びてくると信じて頑張っていきたいです」と意気込んだ。

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