2022.10.26

Bライブを楽しむために今シーズン注目の選手をスタッツからピックアップ【B1・中地区編】

B1・中地区から注目の8選手をピックアップ [写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

すでに全勝も全敗チームもなく、例年以上の混戦となっている今シーズンのB1。開幕から3節を経過した時点で、各チームの特出したスタッツを残している選手をピックアップ。スキルをアップさせてプレイタイムをアップさせた選手もいれば、新天地で活躍の場を見つけ輝きを放つ選手もいる。そこで、東地区、中地区、西地区に分けて、今シーズン注目したい選手を紹介していこう。

文=吉川哲彦

B1歴代2位の1試合50得点をマーク

ケビン・ジョーンズサンロッカーズ渋谷

ジョーンズは千葉J戦で3ポイントシュート5本を含む50得点をマーク [写真]=B.LEAGUE


 第3節までにモンスタースタッツを叩きだした選手の1人として、取り上げないわけにはいかないだろう。第3節第2戦で、3ポイントシュート5本を含む50得点をマーク。B1の1試合最多得点記録としては歴代2位となる驚異的な数字だ。この試合も含めた1試合平均得点は19.2点、フィールドゴール成功率も61.8パーセントと高く、3ポイントシュートも55.6パーセントとシュートに関わる数字は軒並み高い。一方でターンオーバーは1試合平均1.2個と、フィニッシュを任される選手としてはかなり少なく、安心してボールを預けられる。ライアン・ケリーが故障明けで万全ではないということもあり、今後も得点面で高いスタッツを残すことが期待される。

シュート試投数の多さは信頼の証

藤井祐眞川崎ブレイブサンダース

昨季のMVPは開幕から好調を維持 [写真]=B.LEAGUE


 昨シーズンのMVPであることは言うまでもないが、今シーズンも開幕から快調に飛ばしており、開幕節第1戦で25得点、第3節第2戦では26得点。いずれも3ポイントシュートを5本決めており、後者に関しては1本も外さず、打った5本をすべて成功させている。シュート試投数が多いのはチームからの信頼の証だが、フリースローの本数も多く、開幕節の2試合だけで計14本を成功させた。また、第3節までで1試合平均3.0リバウンド5.0アシスト2.8スティールというスタッツが示すように、オールラウンダーとしての資質も上昇中。開幕節第2戦では14得点5リバウンド8アシスト5スティールとフル回転しており、どのスタッツにおいても貢献度が高い。

最も優れたスタッツを残した選手

河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ

河村は開幕から記録づくめの活躍 [写真]=B.LEAGUE


 ある意味では、第3節までの時点で最も優れたスタッツを残した選手と言って良いだろう。得点は6試合中5試合で2ケタに乗せ、その5試合はすべて15得点超え。それ以上に目を引くのがアシストで、これも6試合中5試合で2ケタに達し、1試合平均は11.2個。昨シーズンのアシスト王の成績が6.4個だったことを考えると、異常な数字だ。河村の優れたところはこれだけにとどまらず、スティールも1試合平均2.5個。さらに、ポイントガードの中でも小柄な172センチというサイズでありながらリバウンドも同3.5本と、日本人選手の中では上位に顔を出している。プレーのクォリティと同様にスタッツのインパクトも突出している河村は、やはり外せない選手だ。

シーズン通しての成長も楽しみ

木村圭吾新潟アルビレックスBB

新潟では得点源の一角を担う木村 [写真]=B.LEAGUE


 若手の多い新潟で、杉本天昇が期待通りに得点を量産している中、負けじと活躍しているのが在籍2シーズン目の木村。第3節まではすべてベンチスタートだったが、第2節第1戦は13得点、第3節第2戦は21得点を叩き出し、1試合平均9.5得点。中でも3ポイントシュートは38.5パーセントの成功率を誇り、チームが苦しんでいる中で得点源の一角を担っている。また、25分以上コートに立った試合が6試合中3試合を占めるが、その3試合はすべてリバウンドとアシストも3以上を記録していることから、今後出場時間を伸ばせば得点以外のスタッツも伸びていくに違いない。11月に22歳となる若い選手とあって、シーズンを通しての成長度という点も楽しみだ。

出場機会が増えればさらにスタッツアップ

野﨑由之富山グラウジーズ

今後の成長が最も期待できそうなのが野﨑だ [写真]=B.LEAGUE


 大卒2シーズン目以内の若手が4人を数える富山は、その若い力の成長が大きなカギを握る。第3節までの成績を見ると、その4人の中で今後の成長が最も期待できそうなのがこの野﨑だ。開幕節第1戦は13分5秒出場で9得点と効率良く得点を挙げ、第3節第2戦でスターターに抜擢されると29分2秒の出場で3ポイントシュート4本を含む22得点。第3節までの段階で1試合平均7.7得点、3ポイントシュート成功率は38.1パーセントという良いスタッツを残している。6試合で計7ターンオーバーと、若さのわりにはミスの少ない選手でもあり、今後出場時間が安定していけば、アシストやスティールなどの数字もどんどん向上していくものと思われる。

目を引くフリースロー試投数の多さ

熊谷航信州ブレイブウォリアーズ

熊谷は移籍2季目、チームにフィックスするとともにスタッツも向上中 [写真]=B.LEAGUE


 三河でプレーしていた頃からその実力は高く評価されていた選手だが、昨シーズン信州に移籍してその潜在能力が本格的に開花した。今シーズンも第3節までの時点で1試合平均9.0得点、3.2アシスト。6試合中4試合で2ケタ得点を挙げるなど、得点力不足が懸念される信州にあって貴重な存在となっている。172センチとポイントガードの中でも小柄だが、その得点力の秘訣はフリースロー試投数の多さ。開幕節第2戦では10本放って7本成功させ、6試合の合計試投数は計23本と、ガードとしては多い。1試合平均成功率は60.9パーセントと必ずしも高いわけではないが、昨シーズンまでの通算成功率は77.7パーセント。ここからその数字が上昇していくことは間違いない。

3ポイントで新生チームに貢献

細川一輝三遠ネオフェニックス

高確率の3ポイントシュートでチームに貢献する細川 [写真]=B.LEAGUE


 14人中10人が新戦力という三遠で、その新加入選手に対する期待は当然大きくなるが、細川はここまでその期待に十分に応えている1人。第3節までの6試合中3試合で2ケタ得点をマークし、1試合平均得点も8.8得点とまずまず。特に3ポイントシュート成功率が45.9パーセントで、第2節第2戦は試投数が11本にのぼり、そのうち5本を成功させている。チーム全体もその成功率でリーグ上位に食いこんでおり、三遠の3ポイントシュート攻勢の一端を担っている1人だ。チーム内での役割上、アシストが少ない点は致し方ない面もあるが、その分ターンオーバーも少なく、シュート力がそのままチームの成績に反映されるタイプということが言えるだろう。

元祖スタッツモンスターメーカー

ダバンテ・ガードナーシーホース三河

ガードナーは得点だけでなくアシストの多さも武器 [写真]=B.LEAGUE


 こと得点面に関しては、元祖モンスタースタッツメーカーともいうべき存在。三河移籍後はやや数字を落としている印象が否めず、今シーズンも第3節までの1試合平均得点は16.2点とさほど高くないが、3ポイントシュートの試投数が例年よりも多く、23本打って11本成功と50パーセントに迫る高確率を残している。フリースロー成功率も87.0パーセントと相変わらずの安定感で、得点に関しては爆発力こそなくなったものの、過去に2度得点王に輝いただけあって不安要素は見当たらない。これだけの得点力がありながらパスが上手いのもガードナーの特徴で、1試合平均4.3アシストはチームトップ。オフェンス面全般を安心して任せられる選手として重宝される。

※選手のスタッツは第3節(10月16日)終了時点

夢のチームを作って戦う『B.LEAGUE#LIVE2022』でBリーグをもっと楽しもう

 Bリーグ2022-23シーズンの開幕とともにスタートしたリーグ公認ファンタジースポーツゲーム『B.LEAGUE#LIVE2022』は、実在のB1・B2選手からドラフトしてチームを編成しプレイヤー同士で対戦するシミュレーションゲームだ。

 プレイヤー同士の勝敗は、選手の実際のスタッツ=活躍に応じたポイントで争い、複数人だけでなく1人でも楽しめる豊富なコンテンツが用意されている。すでに多くのBリーグファンがプレイを楽しんでおり、他のユーザーと交流するツールとしても活用されるなど、上々の反響を得ているということだ。

 このゲームの最も面白いところは、日本代表クラスの選手や個人タイトル争いの常連だけでチームを編成できない点。勝敗を競う上ではスタッツが何よりも重要となるが、実際のプロスポーツの世界で過去の実績によって選手の年俸に差が生じるのと同様に、これまでに高いスタッツを残してきた選手とそうでない選手を同じ条件で獲得することはできない。サラリーキャップ(選手総年俸額に上限を設ける制度)のようなシステムがあるこのゲームでは、未知数ながら将来性のある若い選手や、移籍などで出場機会増加が見込まれる選手などを見極め、チームに加える必要があるのだ。

 本記事で紹介した第3節までの各選手の活躍度を参考に今後の展開を予想し、GM気分が味わえるこのゲームをより楽しんでみてはどうだろうか。

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