2023.01.03

河村勇輝も太鼓判…新たなプロとしてのバスケストーリーをスタートさせる松崎裕樹

プロとしての意気込みを語った横浜BCの松崎 [写真]=鳴神富一
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 2022年12月に開催された第74回全日本大学バスケットボール選手権でキャプテンとして東海大学を優勝に導き、自身もMVPを受賞した松崎裕樹が、プロとしてのキャリアを横浜ビー・コルセアーズでスタート。12月25日、同クラブから松崎とのBリーグ2022-23シーズンの選手契約締結(新規)が発表された。

 福岡第一高校時代には2度のウインターカップ優勝、東海大学ではインカレを2回制覇するなど世代を代表する存在で、非常に将来を期待されている若手選手の一人。また現在、横浜BCの司令塔かつエースでもある河村勇輝とは、1学年上の先輩として高校、大学ともに同じ時間を過ごした。学生時代に絶妙なコンビネーションでコートを沸かしてきた2人が、プロの世界で再会することとなった。

 松崎自身の契約は2023年1月1日からのため、最短でもBリーグのデビュー戦となるのは1月7日にホームの横浜国際プールで開催される、琉球ゴールデンキングス戦から。それでもすでにチームには合流して練習を続けており、加えて2022年12月30日に行われた群馬クレインサンダーズ戦ではベンチ裏で戦況を見つめ、試合後には入団会見に臨んだ。

 松崎に対するチームからの期待は非常に大きい。群馬との試合後の会見に臨んだチームを率いる青木勇人ヘッドコーチは「松崎選手はすでに東海大学でも実績を残して、満を持してプロに挑戦する。もう練習に参加していて、自主的に自分からチームに入り込めるように準備をしっかりしているように見えます。しかも河村選手とは長い付き合いですし、ケミストリーの部分は問題ないと思っています。ゲームの日を迎えるのが楽しみでしかありません。彼自身の特性を活かしたプレーをしてくればいいと思っています。もちろんチーム内での競争はあります。その中で自分自身の仕事を見つけて差別化を図っていければ、昨シーズンのキング開選手や河村選手のように大切な戦力になると、彼のことを考えています」とコメントした。

 このように大きな期待を寄せられている松崎は、横浜BCへの入団に関しては「非常に幸せを感じています」という言葉を述べたうえで、決め手となったのが河村の存在とチームの勢いであると明言した。

「もちろん、(河村)勇輝が同じチームにいることは、自分がBリーガーとしてスタートさせるうえで本当に大きいことでした。それ以外にも現在、横浜(BC」というチーム自体が本当に勢いを持っていて、そこで自分の長所を活かしてプレーして、プロとしてのキャリアをスタートさせたかったからです」(松崎)

 1学年下でプレーしてきた河村も、松崎のことを頼れる存在だと断言する。「高校からずっとチームのエースとしてプレーしてきました。やはり頼れる存在で、プロの舞台で一緒にプレーできることで、裕樹さんの良さを僕が最大限引き出せると思いますし、裕樹さんも僕の良さを理解していると思います。ぜひ、一緒にプロでもコートに立ちたいと思います」

 そして、続けて河村は松崎本人から入団を決断する前に連絡があったことを明かしてくれた。

「竹田(謙)GMから松崎選手を獲得したいという話は聞いていました。そんな中で(松崎)裕樹さんから横浜(BC)はどういうチームなのかという話があって……僕は『ビーコルは若手が凄く多いからやりやすい環境だし、現時点では強豪ではないけど、ここからのし上がっていくチーム』と話しました。そして、裕樹さんの選択を最優先しつつも『ぜひ、また一緒にプレーできたらと思っているから、来てくれたらうれしいな』ということも一緒に伝えました」

 高校、大学で切磋琢磨してきた2人が、Bリーグというプロの舞台で再び共演。「自分のいちばんの強みはトランジションでのディフェンスと3ポイントシュートなので、その部分を活かしてチームに貢献できたらと思います」と入団会見でファンの前で公言した松崎。河村のパスから松崎の3ポイントシュートという、あの光景が再びBリーグの舞台で再現される日もそう遠くはないあろう。

 松崎は高校、大学と背番号24を背負ってきた。これは中学時代から目標としている同じ長崎県と東海大出身の田中大貴アルバルク東京)にあやかったもの。横浜BCでもこの番号を身につけることが決まっており、ついに同じコートの上でマッチアップが実現するかもしれない。

 松崎の新たなバスケストーリーが始まろうとしている。彼の活躍が横浜BCを新たな景色へと導く大きな力となることを信じて、期待を持って見守っていきたい。

12月30日の群馬戦後、コート上で紹介される [写真]=B.LEAGUE


文・写真=鳴神富一

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