2023.02.03

【井口基史のスカウティングレポート】やっぱり気になるクラブのお金について(後編)「トップチーム人件費」ランキング

A東京のトップチーム人件費は10億を突破[写真]=B.LEAGUE
鹿児島南高-愛知学泉大-カリフォルニア州立大ベーカーズフィールド校-ベーカーズフィールドカレッジ出身。帰国後FIBA国際代理人資格をアジア初の受験取得。プロリーグ発足後まもなく資格返納しチームスタッフへ。富山-滋賀-岩手-大阪でスカウト/通訳/GM/クラブ代表を経験。現在は様々なカテゴリーのバスケ解説を務める。座右の銘「一緒に日本のバスケを熱くしよう!」

今回で3シーズン目となるクラブ決算概要のレポート。マイチームを愛する皆さまのおかげでご好評を頂いております!いつもありがとうございます! 2022年12月13日に発表された「B.LEAGUE 2021‐22シーズン(2021年度)クラブ決算概要」をもとに、マイチームとリーグの仲間の現在地を知りましょう!
現在進行しているシーズンの決算ではなく、昨シーズンの決算についての直近レポートです。ご注意ください。

文=井口基史

●2019‐20シーズン(2019年度)クラブ決算概要のレポートはコチラ
●2020-21シーズン(2020年度)クラブ決算概要のレポートはコチラ

■Bリーガーはいくら稼いでいるのか?

 各チームで選手登録人数などに違いがあり、一概には言えない事をご承知おきいただき、ベンチに入れる12人のロスターを登録人数と仮定した平均サラリーを試算してみました。

 当然の事ですが、各選手の能力、経験、貢献度、サイズ、在籍年数などに応じてサラリーは変わると思います。また新人選手においては「選手契約および登録に関する規程」により、基本選手年俸・上限460万(税抜)という定めがありますので、あくまで一律12人平均とした参考数値です。さらに帰化選手・アジア特別枠・新人選手の有無などにより、チーム総額の選手一人当たりへの振り分けが変わる事が推察されますが、一部のチームでは1億円を超えるプレイヤーが、1人以上いても不思議ではない状況が見て取れます。

 さまざまな資料を読み、井口さん調べではありますが2021年のJリーガーの平均年俸を仮に約3200万円程度とすると、プロバスケ選手の国内での現在地が見えてくると思います。一部の選手が大きく稼ぐことが起きうる世界です。年俸が公開されているNBAでは平均ではなく中央値で見ることが多いので、あくまでも参考程度にしてくださいね。

■B1昇格に必要なお金はいくら?

 2022-23シーズンから悲願のB1復帰した仙台は約2.2億円、初昇格のFE名古屋は約2.3億円とありますので、B1昇格に必要なトップチーム人件費は「約2.2億円以上」とするのが妥当とも読み取れますが、今シーズンの開幕前からB1級の選手編成が話題の長崎ヴェルカアルティーリ千葉越谷アルファーズなどを見ると、B1昇格を目指すチームの人件費がさらに上積みされていてもおかしくないだろうと、想像できるかもしれません。

■B1優勝にはいくら必要なのか?

 2021‐22シーズン優勝の宇都宮を見てみると、リーグで5位の約6.1億円とあります。最高とは約4億以上少なく、中位とは約1億以下しか多くない予算規模で優勝したということを考えると、非常に効果的なチーム編成ができていたといえると思います。

 NBAには全チームからの投票で、そのシーズンでベストだったといえる社長、GM、事業部長、役員などに贈られるExecutive of the Year Award(最優秀役員賞)という賞がありますので、もしBリーグにも同じ賞があれば宇都宮が獲得しても不思議ではないかもしれません。

クラブ決算概要資料はコチラ
B.LEAGUEとは | 経営情報 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト https://www.bleague.jp/about/management/

 プロスポーツではお金の話は避けては通れません。すでにプロバスケ選手は他のプロスポーツ選手と比べても遜色ない時代になっているといえると思います。

 前編では新B1では12億円以上という指針が示されている、スポンサーとファン・ブースターが支える「営業収入ランキング」についてレポートしていますのでそちらもご覧ください!

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