2023.05.12

【チャンピオンシップ出場チーム紹介⑦】名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(ワイルドカード上位)

激戦の西地区で3位、ワイルドカード上位に入った名古屋D [写真]=B.LEAGUE
1986年生まれ。バスケットボールのライターとして3x3が得意領域。国内外のトレンドを追い、競技の歴史を紡いでいます。5人制もbjリーグ時代から、Bリーグに至るまでカバー。また毎年の楽しみは代々木のALLDAYに行くこと。

 レギュラーシーズン上位8チームによる「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」がいよいよ幕を開ける。出場チーム紹介第7回目は、激戦の西地区で3位に入り、ワイルドカード上位名古屋ダイヤモンドドルフィンズをピックアップする。

文=大橋裕之

 ショーン・デニスヘッドコーチ体制2年目の名古屋ダイヤモンドドルフィンズは今シーズン、Bリーグ参入以降、クラブ最多勝利数をマーク。43勝17敗で西地区3位、ワイルドカード上位で「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」に臨む。

 ただ、その道のりは険しかった。とりわけ、3月15日の第24節琉球ゴールデンキングス戦から4月8日の第30節大阪エヴェッサ戦までの11試合は、ケガ人やコンディション不良などによって、ベンチ登録選手が10人に満たない試合が続き、第31節の滋賀レイクス戦はリーグ規定を満たせず不戦敗に。ただ、この逆境を、9勝3敗で乗りきったからこそ、4度目のチャンピオンシップへたどり着いた。

 そんなチームを支えたのが、デニスHCが取り組んできたチームディフェンスにある。マンツーマンディフェンスとゾーンディフェンスを併用しながら、連動してボールを奪取。特に、須田侑太郎中東泰斗、ケガ人続出のなかでシーズン終盤から先発に定着した坂本聖芽の働きは印象深い。1試合平均スティールはリーグ最多となる8.1本を数え、同失点も昨シーズンの79.6点から76.7点まで減らした。デニスHCも「CSに持っていけるディフェンスだと信じている」と、自信を見せた。

 そして、好守から繰り出す攻撃力はB1屈指で、同得点の85.4点はリーグ2位。同3ポイントシュート成功率35.5パーセントはリーグ3位を記録した。同19.3得点のコティ・クラークをはじめ、スコット・エサトンも同15.6得点をマーク。途中加入ながら同14.5得点10.7リバウンドを挙げていたアラン・ウィリアムズが最終戦で脳震とうと診断され、契約解除になるアクシデントがあったものの、開幕からチームを支えたモリス・ンドゥールがチャンピオンシップを前にインジュアリーリストから抹消された。司令塔の齋藤拓実も3月の脳震とうから慎重に復帰を遂げ、レギュラーシーズン終盤の4連勝に貢献する活躍ぶりだった。

 攻防両面でチームが仕上がってきた。指揮官は最終節のアルバルク東京戦後、「うちのベースが今日、証明できたと思う。あまりチャンピオンシップだからと言って、(チームに)変化を入れたくない。いい気持ちで臨みたい」と、意気込みを語った。クォーターファイナルの相手は、チャンピオンシップで過去2度も敗れた琉球ゴールデンキングス。これまでBリーグ王者を2チーム輩出したワイルドカード上位から頂を狙う。

■KEY PLAYER/PG #2 齋藤拓実

チャンピオンシップに向けて復調の兆しを見せる齋藤 [写真]=B.LEAGUE

 名古屋Dの浮沈を握るキーマンは齋藤だろう。今シーズンは同11.1得点に加え、アシストはプロ入り後最多の同6.9本を数えた。脳震とうのため3月から一時戦列を離脱したが、4月中旬に復帰。症状が再発しないよう、出場時間を抑えながら状態を整え、最後の4試合で復調の兆しを見せた。本人も「(ゲーム)感覚をだいぶ取り戻してきている」と話し、デニスHCも「チャンピオンシップに向かういいタイミングで自信が戻ってきていると思う」と、その様子をコメント。来たる短期決戦ではベンチスタートからスターターに戻るのか。起用方法も含めて、B1屈指の司令塔に注目したい。

■クォーターファイナル(vs琉球ゴールデンキングス@沖縄アリーナ)
第1戦:5月12日(金)19:35開始
第2戦:5月13日(土)18:05開始
第3戦:5月15日(月)19:35開始※結果により開催されない可能性あり

■ロスター
・名古屋D(HC:ショーン・デニス)
レイ・パークスジュニア
齋藤拓実
伊藤達哉
コティ・クラーク
モリス・ンドゥール
菊池真人
張本天傑
須田侑太郎
中東泰斗
中務敏宏
スコット・エサトン
坂本聖芽

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