2023.05.12

【チャンピオンシップ出場チーム紹介⑧】広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード下位)

初のチャンピオンシップに挑む広島 [写真]=B.LEAGUE
1986年生まれ。バスケットボールのライターとして3x3が得意領域。国内外のトレンドを追い、競技の歴史を紡いでいます。5人制もbjリーグ時代から、Bリーグに至るまでカバー。また毎年の楽しみは代々木のALLDAYに行くこと。

 レギュラーシーズン上位8チームによる「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」がいよいよ幕を開ける。出場チーム紹介第8回目は、初のチャンピオンシップに挑む広島ドラゴンフライズをピックアップする。

文=大橋裕之

 広島ドライゴンフライズがワイルドカード下位でクラブ初の「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」へ挑戦する。振り返ると、B1初昇格の2020-21シーズンは西地区10位、リーグ全体最下位に低迷したが、昨シーズンは29勝28敗で同6位に浮上。今シーズンは序盤から川崎ブレイブサンダース千葉ジェッツをB1で初めて撃破した。2022年12月から1月にかけて9連勝をマークし、地区首位争いも演じて、41勝18敗で同4位へ食い込んだ。

 チーム成長のカギは、攻撃両面で見て取れる。攻撃では、インサイドを重視した昨シーズンの戦い方から、スピーディーでアウトサイドから仕掛ける戦い方へのモデルチェンジが奏功した。ドウェイン・エバンスケリー・ブラックシアー・ジュニアのシュート力に、アシスト力もある新戦力がチームを引き上げ、1試合平均得点はリーグ3位となる84.1得点。辻直人ニック・メイヨ上澤俊喜などの3ポイントシュートも決まり、成功率はリーグ2位の1試合平均36.2パーセントに上った。

 また、2シーズン目を迎えたカイル・ミリングヘッドコーチの下、磨かれたチームの連携によって、1試合平均のターンオーバーも昨シーズンの13.2個から11.3個に減った。これは、チャンピオンシップ進出チームで4番目の少なさだ。さらに、防御力も向上し、1試合平均失点は昨シーズンの81点から78.4点まで減少。チームで唯一、全59試合へ先発した寺嶋良の好守のほか、オフェンスの印象が強かったアイザイア・マーフィーが、ディフェンスで目立つ場面が増えたことも見逃せない。全員がステップアップし、粘り強い守りが整備された。課題のリバウンドに対しても、220センチのカイ・ソットを2月に獲得。2名の外国籍選手と同時起用できるアジア特別枠選手は、頂点を狙う広島の切り札になった。

 チームは4月以降、地区上位の琉球ゴールデンキングス島根スサノオマジック名古屋ダイヤモンドドルフィンズに3勝5敗と負け越したものの、島根からは2勝をもぎ取った。リバウンドを制し、強力な相手オフェンスを70点台に封じ込めた堅守が光った。クォーターファイルの千葉J戦でもその力を発揮し、リーグ最高勝率の強敵撃破を目指す。

■KEY PLAYER/SF・PF #13 ドウェイン・エバンス

オールラウンドな活躍を見せたドウェイン・エバンス [写真]=B.LEAGUE

 琉球から移籍したエバンスは、広島のチャンピオンシップ進出に大きく貢献。第4節のファイティングイーグルス名古屋戦では逆転勝ちの立役者になるなど、序盤戦から存在感を示し、今シーズンは1試合平均16.6得点7.6リバウンドを挙げ、アシストはBリーグキャリアハイとなる同4本を記録。相手の得点源を封じる好守も健在だった。古巣では過去2度、チャンピオンシップへ出場し、昨シーズンは島根とのセミファイナル第2戦で劇的ブザービーターを決め、ファイナルも経験。3度目の大舞台でも、その勝負強さと、リーダーシップを発揮し、ブースターを歓喜に導く姿が期待される。

■クォーターファイナル(vs千葉ジェッツ@船橋アリーナ)
第1戦:5月13日(土)15:05開始
第2戦:5月14日(日)15:05開始
第3戦:5月15日(月)19:05開始※結果により開催されない可能性あり

■ロスター
・広島(HC:カイル・ミリング)
寺嶋良
朝山正悟
辻直人
アイザイア・マーフィー
船生誠也
ケリー・ブラックシアー・ジュニア
上澤俊喜
カイ・ソット
中村拓人
ドウェイン・エバンス
佐土原遼
ニック・メイヨ

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