5月28日に横浜アリーナで「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2022－23」第2戦が行われ、琉球ゴールデンキングスが千葉ジェッツと対戦。88－73で勝利し、悲願のBリーグ初制覇を成し遂げた。

　この試合で2本の3ポイントシュートを沈め、6得点3アシストをマークした岸本隆一は、試合後の会見で「やっとここまでたどり着いてうれしい気持ちでいっぱいです。今日という日に至るまでに、いろんな人が力を尽くして戦ってきたと思うので、感謝の気持ちもありますし、自分たちにとっても沖縄にとっても意義のある優勝になったんじゃないかと思います」と率直な心境を語った。

　琉球一筋の岸本は、昨シーズンのファイナルでは宇都宮ブレックスに敗れ、惜しくも頂点には届かなかった。「キングスの歩んできた道を振り返ってみても、何度も壁にぶつかって、それを乗り越えてきました。昨年の経験が生きたかは正直わからないんですけど、自分たちの信じる道を進んだ結果、勝利を勝ち取れることは証明できたと思います。これからも見ている人にバスケットボール以上のものを感じてもらえるようにまだまだ頑張っていきたいです」と力強いコメントを残し、「でも1カ月くらいはちょっとバスケットを忘れて喜んでいられたらなと思います」と笑顔を見せた。

昨季は初のファイナル進出、そして今季は初優勝を飾り、球団として壁を乗り越え続けた[写真]＝池川昭宣

　沖縄からも多くの観客が足を運び、チームを鼓舞し続けたことについては、「横浜アリーナに来て、僕たちを後押ししてくれたのは力になりました。この場所にいなくても、全国各地に自分たちを応援してくださった方がいたと思いますし、恩返しと言ったらおこがましいかもしれませんが、そういう気持ちもあってすごく感謝しています」とファン・ブースターへ感謝のメッセージを送った。

　沖縄県出身の岸本は、「僕はバスケットに夢中になって、いつしかいろんな気づきをくれたり、思いもしないような人生の教訓を与えられてきました。バスケットに限らないですが、子どもたちが好きという気持ちを持ち続けて、夢中になった先にもっと大切なものがあると思うので、沖縄の子どもたちに今日の勝利が何か影響を与えられたらなという思いです」と地元への思いを明かした。

　また、bjリーグ時代の優勝と今回の優勝の違いについて聞かれると、「bjリーグ時代の優勝は核になる選手について行けばいいかなという気持ちもあったのですが、今は年齢も上の方になって、下の選手が多いなかで優勝という結果を勝ち取れたのはうれしいです。当時はたくさんの先輩方がいましたが、先輩たちが見ていた景色はこんな感じなのかなと思うと、やっとここにたどり着いたなという気持ちです」と語り、球団の歴史と、33歳で迎えたBリーグ初制覇の達成感を噛み締めた。

ついにBリーグの王者に輝いた琉球ゴールデンキングス[写真]＝池川昭宣