2020.07.28

『バスケで群馬を熱くする』キーパーソンに直撃…「バスケットボールの可能性は無限大」吉田真太郎取締役

中央大学バスケ部に所属していた吉田真太郎氏が取締役に [写真]=群馬クレインサンダーズ
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

「白羽の矢が立った」とはまさにこのことを言うのだろう。不動産事業をメインとする企業で働いていた吉田真太郎氏が群馬クレインサンダーズの取締役に就任。もちろん大学までバスケットボールに夢中になっていた吉田氏だけに理想のクラブ像は明確に描いている。バスケファンを驚かせた積極強化策の張本人に理想のクラブ像についてうかがった。

取材・文=入江美紀雄
取材協力=群馬クレインサンダーズ

プレー面に加え、練習に対する姿勢もリクルートの基準に

「ワクワクするチームになりました」と吉田取締役 [写真提供]=群馬クレインサンダーズ

――吉田取締役が主に担当されている業務を教えてください。
吉田
 いわゆるGM業です。選手の補強などに携わっています。

――このオフの群馬の補強を手掛けた張本人ですね?
吉田
 お陰様で色々な方々にご協力をいただけたので良い方向に進めたのだと思います。関係者には凄く感謝しています。

――実際に今回の強化に点数をつけていただけますか。
吉田
 結果が出てから点数をつけたいと思いますが、ワクワクするチームになりましたね。あともう1人発表があります。隠し球の選手が近々発表しますので、それを含めるとめちゃくちゃ面白いチームが出来上がります。個人的に観に行きたい選手が集まったと思っています(取材後、元千葉ジェッツ、アメリカ代表のトレイ・ジョーンズとの契約を発表)。

――バスケ歴は?
吉田
 一応大学まで。中央大学の体育会バスケ部に所属していました。私の1つ上がシーホース三河に移籍した柏木真介さんで、2つ上が新潟アルビレックスBB五十嵐圭さんです。

――今回の補強のポイントは?
吉田
 プレー面の実力があることはもちろん、プラス練習に対する取り組み方を色々なところからヒアリングしてスカウトしました。すでに選手は群馬へ来て練習していますが、だいぶ馴染んで、一生懸命トレーニングしているようです。

企業理念と合致するスポーツとの親和性

千葉ジェッツからマイケル・パーカーを獲得するなど、積極的な選手強化に注目が集まった [写真]=B.LEAGUE


――吉田さんも所属されていて、今回群馬のオーナー企業になったオープンハウスは総合不動産会社です。そのような会社がなぜスポーツをサポートしているのですか?
吉田
 オープンハウスグループは不動産事業がメインとなっていますが、企業理念の中に「やる気のある人を多く受け入れて、結果に報いる組織を作ります」とあります。やる気のあるアスリートや団体をサポートして、結果に報いる企業にしようということもあり、企業理念とスポーツとの関係性はとてもいいと思っています。

――日本にはJリーグやプロ野球、個人アスリートも含めていろいろなプロスポーツがあります。その中でなぜバスケットボールを選ばれたのでしょう?
吉田
 マーケットの観点から見ればバスケットボールは全世界での競技人口が1番多いスポーツであることが魅力的でした。ちょうどM&Aをさせていただいた去年の6月は日本でもバスケットボールがとても盛り上がっていました。八村塁(ワシントン・ウィザーズ)選手がNBAドラフトに指名されたり、東京2020オリンピックへの期待も膨らんでいたこともあります。我々は将来的にバスケットボールが今以上にとても可能性のあるスポーツだと考えています。Bリーグは女性やファミリー層のファンが多く、オールスターの入場者の約6割が女性というデータがありますが、群馬県では高齢者の方も取り込めたら面白いかなと思います。年齢や性別に関係なく、アリーナの中でショーを見るようなエンターテインメント性を含めて、可能性のあるスポーツと言えます。もともと自分はバスケをしてきましたから、「もっと盛り上がるはず」と思っていました。Bリーグができたことで無限の可能性が生まれ、僕が好きなNBAに近づけるのではと、可能性を感じています。アリーナとチームが一体になり、よりNBAに近づける。会場へ行くだけでワクワクできる。そういう関係ができればと思います。

――1万、2万人のキャパシティーを持ち、ブースターをわくわくさせるアリーナを建てる計画はありますか?
吉田
 個人的には6000人程度のキャパがいいのではないかと思っています。バスケが好きな人の聖地のような存在で、常にブースターの皆さんを熱狂させられるような会場が良いですね。バスケットとエンターテインメント性を高めていく必要があります。軸として考えていることが4つあります。1つ目は、強いチーム、2つ目は最高のエンターテインメント性、3つ目はクラブに関わる人が自慢できるクラブであること、そして4つ目がワクワクできること。これらをベースにクラブを作っていけたら、面白いのではないかなと思います。その中の条件として、アリーナは重要なファクターです。そうなったら、群馬の人は東京ディズニーランドへ行かなくてもいいのではないでしょうか(笑)。

――群馬はあまり大きなプロスポーツチームがありませんが、ポテンシャルを感じますか?
吉田
 めちゃくちゃ感じていますね。我々が第一人者になれる可能性は秘めているとも言えます。群馬県で盛り上がるのは、阿久澤社長が指導されていた高校野球なんです。新しいコンテンツとして注目していただければ、一気にファンが増えるではないかなと。強いものが好きな県民性でもありますので、最初のフェーズとしてまずチームを強くすること。ここからスタートしていきたいと思います。