2016.12.25

東海大諏訪に立ちはだかった「壁」、大学での成長を期すエース竹田「芯の強い選手になりたい」

土浦日大の杉本天昇とマッチアップを繰り広げた東海大諏訪の竹田寛人 [写真]=青木美帆
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 12月24日の男子最終試合Cコートでは土浦日本大学高校(茨城県)と東海大学付属諏訪高校(長野県)が対戦した。東海大諏訪にとって土浦日大は、練習試合で10数回戦い勝てたのは2回という格上の相手。前半は1ゴールビハインドと健闘したが、第3ピリオドに攻守両方のギアを入れ替えた土浦日大に一気に離され、59-86で敗れた。

 第3ピリオドの戦い方は1年間をとおしての課題だった。「壁」と表現した入野貴幸コーチは「やっぱり同じ壁じゃん。乗り越えていこうよ」とタイムアウト時に選手たちに発破を掛けた。前半は思いどおりの内容ではないながらも何とかしのげていたが、「いろいろなところで水漏れのように」(入野コーチ)トラブルが起こり、やがて決壊に至った。

 土浦日大の大エースでこの日31得点の杉本天昇を守っていたのが、東海大諏訪のエース、竹田寛人だった。

「第1ピリオドで(杉本を)1人で止めようとしてファウルがかさんでしまいました。『カバーを信頼しろ』と先生に言われたんですがうまくいかなくて。ベンチに下がってもう一度出たら、今度はオフェンスのリズムを崩してしまって、無理なシュートを打ってしまいました。責任を感じています」(竹田)。「点が取れなくてもディフェンスに徹しろと言ったんですけどね。そこはもっと話をしてやるべきでした。悔しいですね」と入野コーチも続ける。

 今年のチームは下級生主体。3年生はずっと「今までで一番ダメな代」と言われ続けてきた。インターハイが終わると半数が引退を選び、冬まで残ったのは7人。「このチームに入った以上、厳しいことも覚悟をしてきました。この大会は、1年生からつらい練習に耐えてきたことを後輩に伝えなきゃいけない。3年生がもう一度気を引き締めて戦おうとみんなで話し合っていました。残った仲間たちともっとがんばりたかったんですけど」(竹田)。

 竹田自身もアップから率先して声を出し、後輩たちを引っ張ってきた自負はある。しかし肝心の試合の内容は悔いばかりが残る結果となってしまった。

 卒業後は関東1部リーグの大学に進学し、競技を続ける。入野コーチは何度も「壁は乗り越えなければならないもの」と繰り返したが、竹田も今大会で自分自身の「壁」を嫌というほど実感した。「練習からしっかりと積み重ねて揺るぎない自信をつけて、芯の強い、しっかりした選手になりたいです」。新しいステージでの飛躍を誓った。

文・写真=青木美帆

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