2017.08.30

未来のスターを探せ! BBKスカウティングレポート No.014 祝俊成(帝京長岡高校3年)

大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

Bリーグ開幕に伴って注目度が増す男子バスケットボール界。2019年にはFIBAワールドカップ、翌2020年には東京オリンピックが控え、より一層の発展へ期待が高まるばかりだ。日本バスケットボール協会やBリーグは両大会、さらにその先を見据えて選手の強化に力を入れている。すでにアメリカの大学で活躍する渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大学)や八村塁(ゴンザガ大学)、日本代表に名を連ねる馬場雄大アルバルク東京/筑波大学4年)などが台頭しており、それに続く超逸材、さらに可能性を秘めた“原石”もまだまだいる。ここでは『バスケットボールキング』推薦のスター候補生を紹介する。第14回目は鋭いドリブル、正確なパス、華麗なボールハンドリングを兼ね備える“小さな魔術師”祝俊成(帝京長岡高校)。今夏のインターハイで経験した悔しい思いを、今冬のウインターカップへぶつけることができるか。

 8月2日に閉幕した平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)で、最も華のあるプレーを見せた選手かもしれない。帝京長岡高校(新潟県)3年の祝俊成。170センチの体から繰りだされるドリブルと、2人の留学生を含むチームメートを動かすパス。そのプレーの一つひとつが多くの人の目を引き、“小さな魔術師”という言葉が非常にしっくりくる選手だ。

「祝(ほうり)」という珍しい名字は、彼の故郷である新潟の離島、佐渡島に多いものだという。島から新潟市までフェリーで約2時間半。島で高度な指導を受ける機会はあまりなく、祝も中学時代は「県大会で1回勝てたらいいほう」というチームに所属し、県選抜の経験はない。しかし、県大会で彼のプレーを見た柴田勲コーチに見初められて帝京長岡に進学。同部では初の佐渡出身者として、現在は寮生活を送っている。

 前述のとおり、佐渡ではハイレベルな指導は受けられなかったが、その代わりに暇さえあればNBAの試合動画を見て、そのプレーを真似していたという。幼い頃はアレン・アイバーソン氏(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)に夢中だった。現在も、カイリー・アービング(ボストン・セルティックス)やラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)などのプレー動画を繰り返し見る。

 試合中にベンチへ下がった時も、気づけばボールが膝の上にある。「急に試合に出る時に備えて、ボールを手に馴染ませています。練習前も常にドリブルしているし、ボールを持つのが好きなんです」。華麗なボールハンドリングの礎が垣間見えた。

 インターハイは準決勝で福岡大学附属大濠高校(福岡県)に敗れ、3位に終わった。祝自身がこの結果に微塵も満足していないことは、試合後の厳しい表情からよく見て取れた。

 3位表彰式の後に、祝は多くの報道陣に囲まれた。全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)への抱負を語った後、胸の銅メダルに目をやってこう続けた。「いらないんで、こんなの」。強い意志が込められたその口調とギラリとした笑顔の先に、彼が目指す大きなものが見えた。

文=青木美帆
写真=山口剛生

No.001 大倉颯太(北陸学院高校3年)
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No.002 保泉遼(船橋市立船橋高校3年)
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No.003 松崎裕樹(福岡第一高校2年)
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No.004 東野恒紀(厚木東高校3年)
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No.005 高原晟也(土浦日本大学高校3年)
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No.006 常田耕平(正智深谷高校3年)
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No.007 平岩玄(東海大学2年)
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No.008 盛實海翔(専修大学2年)
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No.009 半澤凌太(福島南高校3年)
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No.010 齋藤拓実(明治大学4年)
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No.011 中村太地(法政大学2年)
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No.012 角野亮伍(サザンニューハンプシャー大学1年)
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No.013 井上宗一郎(福岡大学附属大濠高校3年)
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