2017.09.18

ウインターカップ石川県代表は古豪の津幡、守備強化で3年ぶり全国へ

レイアップを放つ津幡高校の山下七海 [写真]=平野貴也
元スポーツナビ編集部。フリーに転身後はサッカーを中心に様々な競技を取材するスポーツライターに。

 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ2017)の石川県予選男女準決勝および決勝が9月17日に小松市総合体育館で開催。女子は津幡高校が優勝し、3年ぶり14回目(※選抜優勝大会出場回数)の出場を決めた。

 準決勝は、93-66で金沢商業高校を撃破。決勝では、3年連続4回目の全国大会出場を狙った鵬学園高校を79-33で圧倒した。第3ピリオドに50点のリードを得る展開となり、東山耕平ヘッドコーチは「自分のチームだけど、見ていて『強い!』と思った。夏にインターハイ(平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会)で東京成徳大学高校(東京都)さんに2回戦で負けてから守備を強化してきたが、選手が徹底的にやってくれた」と手放しで教え子の戦いぶりを称えた。

 決勝は、出だしから好調だった。ボールを持たない相手をマークする選手が常にパスカットを狙うディフェンスで、インサイドを使わせなかった。

 鵬学園は、準決勝の金沢西高校戦(69-55)で鋭い動きを見せていた砂塚千尋(3年)らがゴール下に切りこんでいくことができず、頼みの外角シュートがこぼれると、リバウンドを相手に拾われた。外からのシュートが入らず、ゴール下へのパスを狙うとインターセプトをされる悪循環に陥り、第1ピリオド終了時点で10点差。第2ピリオドには、188センチの高身長を誇るマリからの留学生ナン・ダイヤベイト(1年)を投入したり、期待のルーキー山口奈々花(1年)にボールを集めて個人技で勝負したりと工夫を見せたが、対抗しきれず29点差まで突き放された。

 対照的に、津幡はガードの山下七海(3年)が鋭いドライブで得点を量産。ともに身長176センチの川腰穂乃花(3年)、仲谷礼菜(2年)がリバウンドを拾って攻守のリズムを支えた。第3ピリオドには小山里華(1年)、吉田彩乃(3年)の3ポイントシュートも炸裂。終盤は下級生主体で戦ったが安定感を失わず、きっちりと勝ちきった。

[写真]=平野貴也

 夏のインターハイで敗れた後に強化した守備の真骨頂は、インターセプトによるターンオーバーという成果になって表れた。主将を務める山下は「ウインターカップは3年ぶりの出場で、私たちの代は初めて。最終学年で全国大会に出られて素直にうれしい。インターハイの東京成徳戦は、前半は悪くなかったのに後半で引き離された。でも、今は守備が強くなったので、夏のチームとは違う」と全国大会への再チャレンジに高い意欲を見せた。

 各都道府県予選の優勝チームに、全国高校総体の優勝、準優勝、さらに開催地(東京)代表の全50チームが日本一の称号を争う全国大会は、12月23日から29日まで東京体育館で行われる。津幡は、1995年の第26回大会で全国3位になったことのある古豪だが、近年は上位に進んでいない。

 東山HCは「全国ベスト8以上という壁にチャレンジしたい」と言葉に力を込めた。昨年は、国民体育大会の男子少年の部で石川県代表が準優勝し、ウインターカップでも北陸学院高校が3位と躍進。山下は「男子に負けないように女子もがんばりたい」と刺激を受け、古豪復活のアピールに挑む意気込みを示した。

取材・文=平野貴也

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