2017.09.19

インハイ3位の大阪桐蔭が20点差で大阪薫英を破る、2度目のウインターカップへ

ウインターカップ大阪代表は大阪桐蔭に決定 [写真]=平野貴也
元スポーツナビ編集部。フリーに転身後はサッカーを中心に様々な競技を取材するスポーツライターに。

 高校バスケットボールの祭典、平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ2017)の大阪府予選男女決勝戦が18日に金岡体育館で開催。女子はインターハイ(全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会)3位の大阪桐蔭高校が、昨年全国4位の大阪薫英女学院高校を81-61で下し、3年ぶり2回目の出場(※選抜優勝大会出場回数)を決めた。

 5年連続の同一カードとなった決勝戦。試合の前半は、互いに年代別日本代表の経験者がチームをけん引した。

 3月にフル代表の合宿にも参加したU18日本代表の大型センター、竹原レイラ(3年)を擁する大阪桐蔭は、鈴木妃乃(3年)の3ポイントシュートで先制すると、ゾーンディフェンスでインサイドを引き締め、相手ガードを手詰まりに追いこんでスティールを仕掛けたり、どうにかゴール下へ入ってきた相手のシュートを竹原がブロックしたりと、守備からリズムを作った。第1ピリオド終了時点で17-9と明確なリードを奪った。

峰晴寿音(左)と竹原レイラ(右)[写真]=平野貴也

 対する大阪薫英は、頻繁に選手を交代させて目先を変えながら機動力のあるパスワークで対抗。竹原に対するマークもしきりに入れ替えて、主軸の梅田彩香(3年)や峰晴寿音(3年)だけでなく、森岡奈菜未(1年)にもマッチアップさせるなど総力戦で臨んだ。第2ピリオドには、U18日本代表の峰晴がパスを受けてから素早く仕掛けるドライブでゴールを陥れ、バスケットカウントを得るなど奮闘。北川聖(2年)の外角シュートが決まり始め、28-34とわずかに点差を詰めて試合を折り返した。

 大阪桐蔭は、第2ピリオドの終了間際に竹原が右足首を痛めて負傷交代したが、ハーフタイム明けにはコートに戻った。竹原は「前半は良かったけど、後半にマンツーマンディフェンスにしてからは、自分が相手のエースにやられてしまったり、シュートを落としてしまったりした。自分のところから試合の流れを作っていたのに、流れをつかみきれずに最後は自分らしいプレーができなくなってしまったので、詰めが甘かったと思う」と、負傷の影響もあって後半にやや影を潜めた展開を振り返った。

[写真]=平野貴也

 それでも、大阪薫英にとっては、守備重視の相手にリードを許し、後半は難しい展開になった。プレスを強めて相手を混乱に陥れたが、攻め急ぎから逆襲を受ける形も多くなり、第3ピリオド終了時点で59-43と16点差。第4ピリオドでも差を詰められず、20点差で敗戦を喫した。

 勝った大阪桐蔭だが、主将の永田舞(3年)は受け身になった時間があったと反省点を挙げる。「出だしが良くて、ずっとリードしながら試合をできたのは良かったです。ただ、最後にしんどくなったときに、相手のプレッシャーに対して逃げ腰になってしまった点は、課題。苦しい時に声を出して、冷静になってプレーできたら、もっと良かった」。それでも、最後まできっちりとリードを保ち、念願だった2度目のウインターカップ出場を決めた。

キャプテンの永田舞 [写真]=平野貴也

 ベンチから指示を出していた永井雅彦アシスタントコーチは、「相手は伝統のあるチーム。相手に比べてメンタルが弱い。今日は、ゾーンプレスがだいぶ機能したけど、攻撃への展開に関しては、メンタルが弱くてぎくしゃくした。前半で20点差まで持っていけてもおかしくない試合だったと思います」と守備を勝因に挙げつつ、攻撃面での課題を指摘した。

 竹原に頼りがちになる部分を解消し、アウトサイドからの攻撃力を持ってオフェンスの幅を広げることが課題になりそうだが、実力は十分。インターハイ優勝の岐阜女子(岐阜県)、準優勝の桜花学園(愛知県)を追う存在として、全国大会でも注目が集まる。

 各都道府県予選の優勝チームに加えて、全国高校総体の優勝、準優勝、さらに開催地(東京)代表の全50チームが日本一の称号を争うウインターカップは、12月23日から29日まで東京体育館で行われる。大阪桐蔭は、西岡里紗(三菱電機コアラーズ)を擁して初出場した3年前は初戦敗退を喫している。最初の目標となるウインターカップ全国大会での初勝利から、インターハイに続く優勝争いを狙う。

取材・文=平野貴也

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