2018.02.01

“琉球の怪物”平良陽汰に直撃!「いつかは子どもたちに憧れられるような選手になりたい」

TSCに出場した平良陽汰を直撃[写真]=青木美帆
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

1月27日に日本体育大学世田谷キャンパスで開催された『ballaholic presents TOKYO STREETBALL CLASSIC(以下TSC)』。ストリート選抜と大学選抜の5対5の真剣勝負の舞台にゲストとして、平良陽汰(興南高校3年)と北條海樹(金光藤蔭高校3年)の2人の高校生プレーヤーが参加した。

特に平良は、高校バスケット界屈指の好プレーヤーとしてメディアを席巻。バスケットボールキングがウインターカップ前に作成したプレー動画3本はツイッター上で約18万回もの再生を稼ぎ出した。イベント当日の昼、気温20度の沖縄から1ケタ台の東京に降り立ち、「めっちゃ寒いです…」と率直な感想を漏らした平良に、イベントと自らの高校バスケを振り返ってもらった。

大学生に交じってTSCに特別参加[写真]=CSPark

――今回のイベントに参加したいきさつを教えてください。
平良 2週間前くらいに、監督を通して主催者の方から連絡がありました。

――TSCのことは知っていましたか?
平良 はい。去年のも一昨年のも動画で見ていて、おもしろそうだなと思っていました。

――まさか高校生のうちに自分が出るとは思っていなかったのでは?
平良 はい(笑)。緊張したけど楽しかったです!

――ストリートボールのプレー経験はありましたか?
平良 近くの公園にリングがあるので、小さいころからみんなで遊んでいました。イベントでプレーしたのはこの前(1月21日)のSOMECITY沖縄で初めて。これもめっちゃ楽しかったです。

――ウインターカップ1回戦で高知中央に78-90で敗れ、高校バスケを引退。改めて高校3年間をどんなふうに振り返っていますか?
平良 自由にプレーさせてもらった3年間だったなと。ただ悔いは残ったので、それをどうやって大学で晴らそうかなと今から考えています。

――ウインターカップは左ヒザの状態がよくなかったそうですね。
平良 はい。治療をしていたんですけど、痛みが取れなくて間に合わなかったです。ベストを100パーセントとして、高知中央戦は30パーセントくらいしか力を発揮できませんでした。全然走れなかったし、チームメイートに申し訳なかったです。

――バスケットボールキングの動画がバズったことで、身近なところでも影響を感じることはありましたか?
平良 ありましたね、沖縄は友だちのつながりがすごいので、色んな人から「動画を見たよ」と言われました。そのぶんも頑張らなきゃと思ったんですけど、それができなかったのが悔しかったです。

――話を少しさかのぼらせていただきます。興南高校に進学した理由を聞かせてください。
平良 中学の時は、ジュニアオールスターでしか九州や全国でプレーできる機会がなかったんですけど、そこでも通用するプレーがあったので、高校ではできるだけ多く九州大会や全国大会に出たいと思っていました。最後は2つ上のお兄ちゃんがいたこともあって興南に決めました。

――興南高校はベーシックなものの上に、沖縄らしい自由さを重ねたバスケットをする印象があるチームです。
平良 そうですね。沖縄は自由で何でもやっていいっていう感じのあるチームも多いんですけど、それでは全国では勝てないのでシステムも入れながらやっていました。

――入学時、そういったバスケットに戸惑いはなかったのですか?
平良 そんなになかったと思います。先生の指示を理解しないと試合に出られないので、1年生のころから先生が何をしたいかをしっかり考えながらプレーしていました。

――井上公男監督には、どのようなプレーを求められていましたか?
平良 最初は、チームの約束事を守りながら自分のプレーを思い切りやれというような感じでした。学年が上がるとチームをまとめることも要求されるようになりました。

――中学時代からリーダーシップはあるほうでしたか?
平良 そうでもなかったです(笑) どっちかというと自分のプレーばかりに集中してしまうタイプ。でも身長も小さいし、それだけではこの先足りないよ。まわりに目を配ることも必要だよと先生に言われて、そこからは意識してリーダーシップをとったりまわりの選手を見るようになりました。

――高校3年間を通じて、井上監督にはどのようなことを教わったと感じますか?
平良 「チームを勝たせられる選手、お前がいるチームは何があっても勝てるというような選手になれ」というようなことをよく言われていました。チーム内5対5であっても、自分がいるチームは絶対に勝つことを要求されたので。チャンピオンを取れる選手になってほしいというのが、たぶん井上先生が自分に伝えたかったことだと思います。

――大学での目標を聞かせてください。
平良 まずは監督の要求していることをしっかり表現できるようになりたいです。具体的な目標としては、インカレやリーグの優勝はもちろん、アシストやスティール、得点で個人のタイトルも取りたいです。

――より大きな”夢”を聞かせてください。
平良 Bリーグでプレーして、子どもたちに憧れられるような選手になりたいです。

TSCでも得意の1on1を披露した平良陽汰[写真]=CSPark

取材・文=青木美帆

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