2018.06.19

全試合で20点差以上の圧勝、福岡第一が2年連続7回目の九州大会優勝

凱旋試合で26得点をマークした福岡第一のエース、松崎 [写真]=青木美帆
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 6月15日から17日にかけて、大村市体育文化センターにて「第71回全九州高等学校バスケットボール競技大会」が開催された。17日に行われた男子決勝では、福岡第一高校(福岡県)が福岡大学附属大濠高校(同)を89-67で破り、2年連続7回目の優勝を果たした。

 女子決勝に続き福岡県勢同士の顔合わせとなった男子決勝。試合は序盤から福岡第一が主導権を握り、最後までその勢いを失うことなく快勝した。司令塔の河村勇輝が自在なコントロールで試合を作り、ノールックパスやダブルクラッチシュートで会場をくぎ付けに。クベマジョセフ・スティーブもゴール下のシュートやシュートブロックが冴えて23得点の活躍。地元の大村市での凱旋試合となった松崎裕樹も力強いドライブで果敢にアタックし、チームハイの26得点を挙げた。福大大濠は土家大輝や田辺太一がオフェンスで奮闘し、気の入ったオールコートディフェンスで最後まで食い下がったが、福岡第一の爆発的なオフェンス力を封じることはできなかった。

司令塔の河村 [写真]=青木美帆

 福岡第一は松崎と河村が故障しており、松崎は大会4日前から練習に参加。さらにシックスマンのディアラ・イソフと仲田泰利もケガでエントリー外という状況ながら、すべての試合で20点差以上をつけて勝ちあがった強さは他チームとは一線を画していた。

 両チームにとって、今回の九州大会は非常に難しいものだった。福岡第一は河村と松崎、福大大濠は中田嵩基、浅井修伍、横地聖真がU18日本代表候補に選出されており、このまま選考が進むと8月5日からタイで開催される「FIBA U18 Asian選手権大会2018」に参加する可能性が非常に高く、その場合、彼らは大会日程が重複するインターハイに参加しないからだ。

「彼らをエントリーから外す」という思いきった策を執ったのは福大大濠。片峯聡太コーチは、中田と横地が「NIKE ALL-ASIAN CAMP 2018」に招待されたことをきっかけに、1週間前より今回のエントリーメンバーで実戦練習を始めたと説明した。しかし、1回戦の九州学院高校(熊本県)戦は1点差の辛勝。2回戦の県立川内高校(鹿児島県)戦も得点は開いたもののピリッとしない展開だったが、2日目の準決勝、延岡学園高校(宮崎県)戦は今大会からスタートに加わった間山柊と田辺が伸び伸びと臆することなくプレーし、時間を重ねるごとに好プレーを増やしていった。

下級生に声を掛ける土家 [写真]=青木美帆

 一方の福岡第一は、前述のとおり松崎の凱旋試合ということを踏まえ、現行メンバーで戦った。井手口孝コーチにインターハイで軸になる選手を問うと「誰でしょうね」と苦笑。7月に台湾で行われる交歓大会で河村と松崎を抜いた構成を試し、最終調整を進めていくという。松崎は「スタートで出る古橋(正義)、小川(麻斗)、スティーブはもちろんだけど、阿左美(風葉)や豊住(竣祐)ら3年生がチームを盛りあげて、下級生を引っ張ってほしい」と期待を寄せている。

 最後に、没収試合となった準決勝の福大大濠vs延岡学園(20-0で福大大濠の勝利)について、筆者のとったスコアメモと主催(九州高体連と長崎県教育委員会)の記者発表を基に記載する。

 第4ピリオド残り2分50秒、福大大濠が69-66とリードの場面で延岡学園の選手が4つ目のファウルに対してゴールを軽く蹴り、テクニカルファウルで5ファウル退場。その選手と入れ代わりに出場した選手も立て続けに2つのファウルを宣告され、審判に対し納得のいかない表情を見せていた。

 そして78-66で迎えた残り40.1秒、3つ目のムービングスクリーンが宣告されると、選手はジャッジした審判に詰め寄り右手で顔面を殴打。別の審判がディスクオリファイング(悪質な)ファウルを宣告し、選手は一発退場に。その後、主催者側の判断でこの試合は没収試合となり、延岡学園は準決勝敗退。シード決定戦は行われず、コザ高校(沖縄県)のみが3位入賞となった。

 長崎県高体連の後藤慶太バスケットボール競技専門部長は、この試合後に控えていた女子のシード決定戦や男子決勝の中止も検討していたと説明。しかし、「この大会に向けてがんばっていた選手たちが第一と判断し、実施に至った」とコメントした。

文・写真=青木美帆