2018.07.30

インハイ男子注目校(8)福岡第一「優勝候補の最右翼、最低ラインは『決勝進出』」

2年生ガードの小川麻斗[写真]=青木美帆
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

8月2日から8月7日にかけて愛知県の一宮市、小牧市、名古屋市で行われる「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」。『バスケットボールキング』では、今大会の男子注目選手8人をピックアップした。

■男子注目校(8)福岡第一高校(福岡県)

 春先から圧倒的な強さと完成度を誇り、今季は6月の九州大会まで無敗。関係者から“優勝候補の最右翼”と評価が高い福岡第一高校だが、大会直前期の井手口孝コーチからは「苦しいです」という言葉が出た。

 1つはフォワードの松崎裕樹(3年)と、司令塔の河村勇輝(2年)が代表活動でチームを離れる予定であること。もう1つは、選手たちのコンディションが大会直前まで上がらなかったことだ。九州大会は仲田泰利(2年)とディアラ・イソフ(3年)を欠き、7月に参加した台湾の交流戦は古橋正義(3年)とイソフ、その後に行ったOB戦はクベマジョセフ・スティーブ(2年)と當山修梧(1年)が出場を回避。大会1週間前にようやく全員がそろった。

 インターハイでは河村の代わりに當山、松崎の代わりに仲田がスタメン起用される予定。ポイントゲッター2人を失ったことで得点力の低下は否めず、取りこぼしのないオフェンスが生命線になりそうだ。とはいえ、新チームは例年以上にシュート練習に重点を当ててきた成果もあり個々のシュート力は高く、3月のKAZU CUPでも2人抜きで圧勝を飾っている。

井手口コーチは「豊住竣祐(写真)など3年生のがんばりに期待したい」とも口にしている[写真]=青木美帆

 今季スタメンガードに名を連ねた小川麻斗(2年)は、同大会でMVPを受賞した“隠れた実力者”。中学時代に中田嵩基(福岡大学附属大濠高校3年)とコンビを組んでいた好ガードであり、井手口コーチも「行くことも引くこともでき、空気も読める。河村よりも引き出しは多いかも」と評価する。

 シックスマンには1番から3番までこなせる阿左美風葉(3年)、仲田と力量の差がない神田壮一郎(2年)、台湾で活躍したガードのハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア(1年)などが控える。

 井手口コーチが見据える今大会の最低ラインは「決勝進出」。言わずもがな、インターハイで決勝に進出すると所属都道府県のウインターカップ出場枠が1つ増えるからだ。もちろん準優勝に甘んじるつもりはない。全力でこの夏に挑む。

文=青木美帆

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