2018.08.04

互いの意地がぶつかり合った好ゲームは北陸に軍配、土浦日大を6点差で振りきる

最後は88-82で土浦日大(茨城)に勝利した北陸(福井)[写真]=山口剛生
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 大会初日から好ゲームが多く繰り広げられている今年のインターハイ。その中でも、1回戦かつサブコートで対戦するのがあまりにもったいない好ゲームとなったのが、土浦日本大学高校(茨城)vs北陸高校(福井)だ。

 土浦日大は長身オールラウンダーの結城智史(2年)が、U18日本代表招集のため大会不参加。さらにセンターの細割駿佑(3年)が7月27日にケガでエントリーを外れ、主力を2枚欠いた状態で今大会に入った。
 
 序盤から一進一退のゲーム展開だったが、先手を取ったのは土浦日大。吉村公汰(3年)、鍋田亜廉(2年)らの3ポイントシュートが気持ち良く決まり、リードを奪う。北陸はジャロ・アルフセニ(3年)、ダンテ・スレイマニエ(2年)らインサイド陣の粘り強い攻防でそれについていき、第2クォーター開始2分で同点に追いつく。

 ここから試合はさらにヒートアップ。北陸がスレイマニエ、岩下大資(3年)らの連続得点でリードを奪ったかと思ったら、土浦日大は地元愛知出身の山崎凜(3年)の1対1や陳岡燈生(2年)の速攻で逆転。お互いの「つかんだ流れを譲るわけにはいかない」、「このまま突き放されるものか」という意地がぶつかり合い、死闘の様相を呈した。北陸は前半に大量の3ポイントを決められた反省から、マークマンとの間合いをより詰め、ファールを覚悟したプレッシャーディフェンスを展開。高島紳司(3年)、勝部珠莉輝(3年)、勝木蓮(3年)らがファールトラブルに陥ったが、土浦日大の3ポイントの決定率を大幅に下げることに成功し、フリースローの確率が悪かったことにも助けられた。

山崎凜(3年)はチームトップタイの19得点をマークした[写真]=山口剛生

 最後は88-82で強敵を振りきった北陸は、思うような成績を挙げられなかった昨年の反省を受けて、より強度と緊張感の高い練習を積んできた。岩下をケガで欠いた北信越大会では準々決勝で敗れたが、代わりにスタメン起用された高山達希(3年)が成長し、今大会でもスタメンを務めるまでになっている。

 初戦で大きな手応えをつかんだ伝統校・北陸。久井茂稔コーチは「1つひとつ勝ちたい」と慎重だが、この夏は怖い存在になりそうだ。

文=青木美帆

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