初のベスト4進出を決めた開志国際、準決勝で明成と激突…富樫英樹コーチ「ワクワクしてます」

チームをインターハイベスト4へ導いた富樫コーチ[写真]=兼子慎一郎

「出来は最低でした(笑)」

 試合後、創部5年目で全国大会初のベスト4進出を果たした開志国際高校(新潟県)の富樫英樹コーチは、嬉しそうに答えた。

 8月5日に行われた「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」男子準々決勝にて、北陸高校(福井)と対戦した同校。試合は24得点を挙げたジョフ・ユセフ(2年)を筆頭に、6本中4本の3ポイントを沈めたルーキーのジョーンズ大翔や「6番手のエース」(富樫コーチ)、板澤明日起(2年)ら下級生の活躍が光り、71-53で試合をものにした。

1年生ながらスタメンに抜擢されているジョーンズ大翔[写真]=兼子慎一郎

 指揮官が最低の出来と指摘したのは、「ガードの2人。4番(小池文哉)、5番(小栗瑛哉)」の3年生。約20分間で2得点と影を潜めた和田蓮太郎(3年)については「いなかったでしょ?(笑)」と冗談を交えながら苦言を呈した。しかし、それには「1年生に救ってもらってるんじゃダメ」というメッセージが込められている。

 それでも、3年生を含むコート上の選手全員が見せた、ルーズボールやリバウンドに飛びこむボールへの執着心は北陸を圧倒していた。ハッスルプレーで流れを自分たちで引き寄せ、ベンチと応援席を盛りあげ、観客を味方につけた球際の強さは勝敗を分ける大きなポイントになったと言えるだろう。

ケガから復帰したばかりのジョフ・ユセフ(2年)はインサイドの大黒柱[写真]=兼子慎一郎

「明日も球際強いので! 負けないようにがんばりたいと思います」

 開志国際が、決勝進出を懸けて戦うのは宮城の強豪、明成高校だ。「恩師をやっつけなきゃいけない。チャレンジャーなので、まあダメ元で……」と、試合直後は控えめに述べた富樫コーチだったが、「公式戦で(佐藤)久夫先生と戦えることがうれしいですね。しかも上の方で。それだけです。ワクワクしてます」と早くも大一番へ向け、胸を高鳴らせていた。

文=小沼克年

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