高さを活かした開志国際、明成のゾーンを攻略…20点差快勝で中部大第一との決勝戦へ

攻撃の起点となり16得点10アシストをマークした和田蓮太郎(3年)[写真]=山口剛生

 開志国際高校(新潟県)が明成高校(宮城県)の襲いかかるようなソーンディフェンスを高さで攻略し、「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」の決勝戦へ駒を進めた。

 試合開始から5点を先行した開志国際は、この試合で圧倒的な高さを誇った202センチのジョフ・ユセフ(2年)と、197センチの和田蓮太郎(3年)を起点に攻撃を展開。第1クォーターの明成は3ポイントを中心に攻めてきたが、開志国際は内外バランス良くスコアを伸ばすと、和田が2本の長距離砲を射抜き28-15で最初の10分間を終えた。

ゴール下から得点を量産した202センチのユセフ(2年)[写真]=山口剛生

「自分がポストでつないで下の留学生にパスを出して、それがダメだったら横にさばくことを意識しました」(和田)。その言葉どおり第2クォーター以降も明成のゾーンディフェンスに対し、和田が一度ハイポストでボールを受けてから相手が届かない高さのパスでユセフとのハイ・ロー、中を警戒されれば外の選手、もしくは自らアウトサイドシュートをマークして試合を優位に進めていった。

 対する明成もゾーンプレスや田中裕也、川村亮汰(ともに3年)を中心に何とか追いあげようとするが、試合をとおして和田が16得点10アシスト、ユセフは30得点19リバウンドの“ダブルダブル”を記録した結果からもわかるように、最後まで2人に苦しめられた。

悲願の優勝まであと1勝に迫った[写真]=山口剛生

「組み合わせを見てもゾーンのチームが多かった。準決勝はここ(明成)に目安をつけていた」(富樫英樹コーチ)と、しっかり対策を練ってきたゾーン対策がピタリとはまり、95-75の20点差で快勝した開志国際。まだ創部5年目にも関わらず、今大会は福岡大学附属大濠高校(福岡県)、北陸高校(福井県)、明成など並み居る強豪たちを次々と退けて決勝まで上り詰めた。富樫コーチは「我々新参者としては価値ある勝利だなと思います」と振り返り、「ここまできたからには、あと一つがんばりたい。我々は敵ではなく『自分たちと戦おう』と徹底しているので、明日もきっとやってくれると思います」と選手たちに期待を寄せた。

 ともに初優勝を懸けた開志国際vs中部大学第一高校(愛知県)の決勝戦は7日、一宮市総合体育館にて10時ティップオフ予定だ。

文=小沼克年

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