2018.08.09

冬の女王、大阪桐蔭…ゼロからのスタートでつかんだインターハイベスト4

大阪桐蔭は準決勝で敗れはしたものの、見事インターハイ3位入賞を果たした[写真]=兼子慎一郎
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 竹原レイラ、永井唯菜(ともに現三菱電機 コアラーズ)らを擁し、昨年のウインターカップで初優勝を遂げた大阪桐蔭高校(大阪府)。しかし今年のメンバーに昨年度のスタメンはおらず、田中穂乃香(3年)が控え選手として出場していた程度だ。

 新チームは1月3日から始動。森田久鶴コーチは「本当に悲惨な状態でした」と苦笑交じりに振り返る。翌日から行われた準公式戦は、田中いわく「ボロ負け」。「この先どうなるか不安だらけだった」と振り返るが、森田コーチの「去年の結果は先輩たちが作ったもの。気にすることなくみんなでまたチャレンジしていこう」という言葉にも励まされ、田中、金城麻樹、中尾里佳子ら3年生を中心にゼロからのスタートを切った。

キャプテンとしてチームをまとめあげた田中[写真]=兼子慎一郎

 昨年のチームよりもサイズが小さくなったため、よりスピーディーでアウトサイドシュートを確率良く決められるチームを目指してきた。選手たちが特に大切にしてきたのはコミュニケーション。「経験が少ないチームなので、練習中から5対5の中で5人がしっかりしゃべれるように意識してきました」(田中)。

 ゼロからのスタートから見事に3位入賞を果たしたチームを、指揮官は「本当によくがんばった」とねぎらった。3回戦の高知中央高校(高知県)戦、準々決勝の明星学園高校(東京都)戦と接戦をものにし、準決勝の岐阜女子高校(岐阜県)戦には敗れはしたが、昨年までのキャリアがまったくないエドポロ・アニイタ(2年)が、留学生センターに対して勇気をもってアタックし続けた。

 ベンチ外の部員たちも選手たちを後押し。毎試合前には応援ミーティングを行い、キレキレの「バブリーダンス」を始めとするバリエーション豊かなラインナップを、笑顔を絶やさず披露し続けた。田中は「特にメインコートになると応援との距離が近くなって、すごくエネルギーになった」と感謝の言葉を述べた。

終始選手たちを後押しした応援席[写真]=兼子慎一郎

 ウインターカップ予選は大阪薫英女学院高校(大阪府)とのし烈な争いが予想される。これまで4度対戦し、いずれも負けている強敵だが、「正味、笑顔」を合言葉に、チーム全員で立ち向かう。

文=青木美帆

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