2018.12.24

14本の3ポイントシュートを沈めた精華女子が奈良文化に逆転勝利!

体幹強化がプレーにも反映。フォームの安定感が増したという精華女子の三浦舞華 [写真]=加藤誠夫
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

「SoftBankウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子2回戦、奈良文化高校(奈良県)と精華女子高校(福岡県)の一戦は62-57で精華女子が逆転勝利をあげ、3回戦進出を決めた。

 スピーディーな精華女子の“脚”を止めようと奈良文化が序盤からゾーンディフェンスを敷くと、それを察知していた精華女子も練習してきたゾーンオフェンスを展開する。しかし奈良文化は精華女子の狙いであるショートコーナーをしっかりと抑えていく。結果的に打たされる形で打った精華女子の3ポイントシュートはリングを通過せず、前半は27-21で奈良文化のリードで折り返す。

 しかし後半に入ると精華女子の3ポイントシュートが気持ちよいほどに決まっていく。結果を先に書けば、第3クォーターに精華女子が挙げた24点はすべて3ポイントシュートである。つまり8本の3ポイントシュートを決めたわけだ(ちなみに第4クォーターの最初の得点も3ポイントシュートだったので、9連続3ポイントシュートとなる)。

「後半はゾーンオフェンスのシステムを少し変えました。ショートコーナーに入れるのではなく、スクリーンでディフェンスをショートコーナーから動かさないようにさせて、3ポイントシュートを気持ちよく打ちなさいと。後半の3ポイント勝負は僕たちの練習通りです」

 チームを率いる大上晴司コーチはそう語る。

 チームトップとなる7本の3ポイントシュートを沈めた2年生エースの三浦舞華も「自分たちのドライブを止めるためにゾーンディフェンスをされることが多いので、その対策として3ポイントシュートの練習をしてきました。準備してきてよかったです」と振り返る。

 元男子日本代表の三浦祐司氏を父に持ち、自身もU17女子日本代表として7月下旬に行われた「FIBA U17女子バスケットボールワールドカップ」に出場した三浦だが、昨年までは3ポイントシュートに自信を持てていなかったと明かす。しかしU17ワールドカップでフィジカルとシュートの精度の差を目の当たりにしてから、トレーニングとリリースの速いシュートを身につけようと努力を重ねてきた。

地道なトレーニングで3ポイントシュートの精度を上げた三浦 [写真]=加藤誠夫

「これまでは体幹が弱くて、シュートのときにボールを頭の上まで持ってくるまでに体が曲がったりしていました。でも体幹を毎日……昨日もしたんですけど、毎日鍛えたことで体がブレなくなって、真上にまっすぐ跳べるようになりました」

 チームを逆転勝利に導いた3ポイントシュートには、そうした地道なトレーニングの成果が隠されていたのである。

文=三上太

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