2018.12.27

準決勝へ向け気を引き締めなおす2人のリーダー、中村拓人と青木遥平

中部大第一2本柱の中村と青木(左から)[写真]=加藤誠夫
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「今シーズンでワーストじゃないですかね。見たことないぐらいバラバラで何一ついいところがなかった。自分たちが良くて勝ったというのは全くなないです」

「Softbankウインターカップ平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子準々決勝、報徳学園高校(兵庫県)との一戦に勝利したものの、中部大学第一高校(高校総体2/愛知県)の常田健コーチの言葉からは反省ばかりが並んだ。

「勝てたのが奇跡に近い状態です」と語ったほどの試合。青木遥平(3年)が3ポイントシュートを5本沈めてチーム最多の23得点を挙げたものの、「自分たちでコーディネートしたシュートではない」と、指揮官は厳しい。

 選手も今日の出来には反省しきりで、「パスミスなど基本的なミスが多かったです」とキャプテンの中村拓人(3年)が言えば、青木も「序盤から自分たちのプレースタイルであるディフェンスができなくて、その分相手に気持ちよくシュートを打たせてしまって苦しい展開になってしまいました」と語る。

 今夏、準優勝となったインターハイでは、エースの中村が「FIBA U18 アジア選手権大会2018」に出場していたため不在。中村が加わって挑む今年の全国大会はウインターカップが最初で最後となる。それだけに夏に届かなかった“日本一”を中村とともにつかみ取りたいという思いは強い。

 準決勝進出を決めた後、中村はここまでの戦いを「自分でいっぱいいっぱいになっているところがあるので、リラックスして選手に声掛けをしていきたいと思います」と、振り返る。また、インターハイでは中村の代わりにキャプテンを務めた青木も、「コートの中やベンチなど、周りに気を使って声を掛けることをインターハイで学ばせてもらったので、今日のように苦しい展開になった時にもっと声を掛けるべきでした。そこはしっかり反省をして、自分と拓人とでダブルキャプテンみたいな感じで明日から引っ張っていきたいです」と、気を引き締め直した。

『ディフェンスからのファストブレイク』を準決勝以降のポイントに挙げた2人。明日の帝京長岡高校(新潟県)との一戦は、共通意識を持つリーダーたちが、アグレッシブなプレーで“中部大第一らしさ”を引きだしてくれるに違いない。

文=田島早苗

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