2019.02.12

藤枝明誠、東海新人で6年ぶり6度目の優勝…夏に向けてさらに高みを目指す

中部大第一を下して東海チャンピオンに輝いた藤枝明誠 [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 2月9、10日と2日間にわたって静岡市のこのはなアリーナで行われた「第32回東海高等学校新人大会」は、男子は藤枝明誠高校(静岡県)、女子は岐阜女子高校(岐阜県)が優勝で幕を閉じた。

 男子決勝、昨年のウインターカップ準優勝の中部大学第一高校(愛知県)と対戦したのは地元静岡県代表の藤枝明誠。1週間前に県新人大会を制して勢いに乗るチームは、岩下恵達(2年)の活躍もあり、決勝でも第1クォーターからリードを奪う。第2クォーターでは中部大第一の反撃に遭いながらも、菊地広人(2年)のシュートが要所を締め、相手につけ入る隙を与えない。そのまま前半は、藤枝明誠の4点リードで終えた。

 後半、追う中部大第一は、バトゥマニ・クリバリ(2年)の得点で開始から約1分半の間に同点に追いつく。だが、その後が続かず思うように得点が伸びない。逆に藤枝明誠は、岩下、そしてこの試合27得点の菊地らが縦横無尽に攻め立てると、相手のミスに乗じて速攻も沈め、第3クォーターを終えてリードをさらに広げた。

チーム最多27得点を挙げた菊地広人 [写真]=田島早苗

 第4クォーターでも攻撃の手を緩めなかった藤枝明誠。最後まで運動量が落ちることなく、最後は17点差をつけて6年ぶり6度目の栄冠を手にした。

「ディフェンスを我慢することが、40分とおしてできるようになってきたかなと思います。今までは少しでも相手にやられてしまうと、次(の動き)につなげることができなかったのですが、今はやられても、次への足が動いていると感じます」と、大会をとおしてチームの成長を語ったのは藤枝明誠の阿部桂コーチ。

 今のチームは、「力強くドライブに行ける選手が何人かいる」(阿部コーチ)ことから、スタイルを前年より変更。今大会でも激しいディフェンスから速い攻め、そしてどの選手も果敢にリングにアタックする姿を披露した。それでも、阿部コーチは「まだ課題ばかり。これから一つひとつ丁寧に築きあげて、より上を目指してがんばりたいです」と、さらなる飛躍を誓っていた。

さらなる高みを目指す [写真]=田島早苗

 一方、4年ぶりに決勝で敗れた中部大第一の常田健コーチにとっては、「藤枝明誠が強いということはわかっていました。相手というよりは、“自分たちが弱い”ということを感じた」決勝戦となったよう。「いい時と悪い時の波が大きいので、いい時がずっと継続できるように。メンタルが課題だと感じています」とも語った。

中部大第一の深田怜音 [写真]=田島早苗

 なお、3位には静岡県の2位代表である飛龍高校。そして大会初日には静岡県の3位代表の静岡学園高校が1回戦で桜丘高校(愛知県)を破り、2回戦では敗れはしたものの美濃加茂高校(岐阜県)と接戦を演じるなど、開催地の静岡県勢が躍動した大会ともなった。

写真・文=田島早苗

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