2019.03.26

福岡第一が全九州大会2連覇、決勝でライバル福大大濠を相手に38点差の圧勝

司令塔の河村を中心に全試合で快勝を収めた福岡第一[写真]=佐々木啓次
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 3月23日と24日の2日間、福岡県にて「第49回全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」が開催。福岡県、長崎県、鹿児島県、沖縄県など計8県の1位、2位チームで争われた男子Aパートのトーナメントは、福岡第一高校(福岡県1位)と福岡大学附属大濠高校(同2位)が決勝戦に駒を進めた。

 県内のライバル同士というだけでなく、全国屈指の強豪校である両校の激突に熱戦が予想されたが、試合は開始から福岡第一が福大大濠を圧倒する形となった。クベマジョセフ スティーブのゴール下で福岡第一が先制すると、河村勇輝の3ポイント、小川麻斗が連続得点を挙げ、いきなり10-0のランに成功。守っては福大大濠のエース・横地聖真内尾聡理が密着マークで自由を与えず。その後も河村、内尾が高確率で3ポイントを決めるなど、最初の10分間で28-12と大きく差が開いた。

 第2クォーターに入っても福岡第一の攻めるようなディフェンスを前に、福大大濠は思うような攻めができずリードを広げられる。同クォーターではわずか6得点しか奪えず、50-18で前半が終了。こうなってしまうと、今の福岡第一を止めることは容易ではない。後半は横地をベンチへ下げるなど、福大大濠が先にギブアップしてしまったような形となり、最終スコア98-60で福岡第一が2年連続7度目の優勝を手にした。

タレントはそろっているが、連携の部分で福大大濠は課題を残した[写真]=佐々木啓次

「引いて守ったら負けですよね。最初はガン!とぶつかるくらいの気持ちでいかないとダメなんですけど、受けに回ってしまって。そのメンタルの差、勇気のなさが最初の10点、今日の点差にも出ました」

 試合後、福大大濠の片峯聡太コーチがそう振り返り、福岡第一の井手口孝コーチが「集中していましたね」と選手を褒めたように、この試合は立ちあがりで勝負がついてしまった。わずか5得点に抑えられた横地は、新チームではフォワードからガードポジションに挑戦しており、大会をとおしてもボールを運んでそのまま1対1を仕掛ける場面が多く見られた。もっとも、本人もそれは認識しており、「孤立してしまい、自分がボールを持ってしまうと周りが止まってボールが回らないのでそこが課題。自分が抑えられると点が取れないので、ボールを手放したりして周りに点数を取らせられるようにしていきたい」と今後への課題を挙げた。

決勝戦後は「フォワードに戻った方がいいかもしれない」と弱音を吐いた横地[写真]=佐々木啓次

 新チームが始動してからも福大大濠に3勝0敗、今大会は初戦から4試合すべてで20点差以上をつけた福岡第一。昨年から主力を担っている河村と小川、スティーブの3人が残り、すでにベースが完成されている感があるが、井手口コーチは「(先発の)内尾と神田(壮一郎)がまだまだ独り立ちしていない。新入生も入ってくるのでこれからですね」と前を見据えている。

 なお、福大大濠に加え、今大会に参加した興南高校(沖縄県2位)は、25日から大東文化大学で行われている「DAITO CUP 2019」に参加。福岡第一、24日のシード決定戦に勝利した延岡学園高校(宮崎県1位)は27日から日本工学院八王子専門学校で開催される「KAZU CUP 2019」に挑む。

 各チームは今大会で得た収穫と課題を持ち帰り、息つく暇もなくさらなる成熟を図る。

福岡第一は新チームとなって以降、未だ無敗をキープ[写真]=佐々木啓次

文=小沼克年

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