4月から新学期がスタートし、高校バスケ界では各チームにルーキーたちが加入。昨年の1、2年生も学年が1つ上がり、ここから本格的なチームづくりを図っていく。今回、バスケットボールキングでは2019年に注目すべき選手を独自にピックアップした。
■男子注目選手(23)新井翔太(1年/実践学園高校/東京都)
実践学園高校のルーキー・新井翔太は、昨年の全国中学校バスケットボール大会でチームを優勝へ導いた172センチのポイントゲッターである。同大会では現在もチームメートの家永淳之介とともに優秀選手にも輝いた。
独特のリズムとドリブルワークで相手を翻弄する新井は、緩急をつけたドライブからのダブルクラッチや3ポイントで得点を稼ぐ。高校入学後もそのプレーを随所に見せており、チームのエースである江原信太朗も「新井はシュートも打てるし、ドライブもできるのでレベルが高い」と一目置く存在だ。
現在は主に控えガードとして出場機会を得ている新井は、持ち前のスピードとテクニックで速いバスケットを掲げる実践学園をさらに加速させることができ、重い展開も打破できる。メンタルも強く、6月1日と2日に開催された「令和元年度関東高等学校男子バスケットボール大会」では、準決勝の第2クォーターに相手を突き放す連続3ポイント、決勝戦でも要所で3ポイントを決めてみせた。
関東大会では1年生ながら同校の初優勝に貢献した新井だが、試合後は笑顔とは裏腹に「勝って嬉しいですけど、個人的には体(フィジカル)で通用しなくて、シュートも全然入らなかった。ディフェンスでも足を引っぱっているので、そこを改善していきたいです」と述べた。
その言葉どおり、今後の課題は明確。指揮を執る高瀨俊也コーチも「点を取ってくれたり、ある程度はやれている。だけどディフェンスがまだまだ」と守備面では目をつぶっている。まだ入学して約2カ月。「通用していないところがいっぱいある」(新井)のは当たり前だが、新井の成長スピードがチームの結果に影響するのは間違いないだろう。
高校でも絶対的エースとなれるか。今後も実践学園の新井翔太に注目だ。
写真・文=小沼克年