2019.06.24

福岡第一が九州大会3連覇達成、4試合中3試合で100点ゲームを演じる

3年連続8度目の優勝を飾った福岡第一
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 6月22日と23日、奥武山武道館アリーナにて男子の『令和元年度 第72回全九州高等学校バスケットボール競技大会』が開催。開催地の沖縄県をはじめ、福岡県や鹿児島県など計8県の1位、2位が集結して行われたトーナメント戦は、福岡第一高校(福岡県1位)の優勝で幕を閉じた。

 決勝戦まで勝ちあがったのは、福岡第一と福岡大学附属大濠高校(同2位)。今年のチームになって以降、未だ無敗をキープし、この勢いのまま1カ月後に迫ったインターハイを迎えたい福岡第一。対する福大大濠は、夏の全国大会出場の夢を絶たれ「ウインターカップへ向けて質を上げたい。今回のメンバー12人が一人ひとり課題を持って帰れるように、ある程度(全員の)プレータイムを確保する」(片峯聡太コーチ)というテーマを掲げて今大会に臨んだ。

 沖縄の地で実現した“福岡決戦”は、立ちあがりから福岡第一がペースを握った。河村勇輝がショットクロックギリギリに振り向きざまで放った3ポイントシュートが決まると、小川麻斗とクベマジョセフ・スティーブも得点を重ねる。福大大濠は第1クォーター中盤からディフェンスをゾーンに変更して立て直しを図るも、同クォーター終了時点で33-14と福岡第一がスタートダッシュに成功した。

 第2クォーター以降、福大大濠は木林優が積極的に攻め立て、第3クォーター序盤で1ケタ点差まで詰め寄った。しかし、直後に片峯コーチが審判に抗議をしてテクニカルファウルを宣告されてしまう。そこから河村にボーナススローと連続3ポイントを浴びて再び引き離され、82-60で最終クォーターへ。第4クォーターはベンチメンバーを織り交ぜながらも福岡第一が点差をキープ。100-81の100点ゲームでライバルを下し、3年連続8度目の優勝を飾った。

福大大濠はウインターカップでの巻き返しを狙う

 最終スコアだけを見れば、全4試合中3試合で100点ゲームを演じ、危なげなく勝利したようにも捉えられる福岡第一。だが、長崎西高校(長崎県1位)との2回戦では苦戦を強いられた。

「全員がガードのプレーをできるタイプのチームだったので、留学生が1対1で守りきれなかった」(河村)、「4番(パワーフォワード)、5番(センター)の子がカードの動きでプレーできる。ディフェンスのローテーションがどうやっていいか困りましたね」(井手口孝コーチ)と振り返ったように、相手の機動力や外のシュート、ゾーンディフェンスにも苦しみ、前半は52-43。最後は18点差をつけたが、小川は「インターハイではゾーンをされることが多いと思うので、シュート力をもっと上げて確実に決められるよう、あと1カ月やっていかないといけない」と気を引き締めた。

決定戦では5本の3ポイントを含む28得点をマークした河村

 また、今大会の結果により、今冬に開催されるウインターカップの福岡県出場枠は「2」に増えた。「これで福岡の枠が2つになったのでとりあえず良かったです」と、笑顔を見せた井手口コーチ。福岡第一がインターハイで2位以内に入れば、この枠は「3」まで増える。「あとは僕らの責任だけど、50点までは来たね!」。そう嬉しそうに話した指揮官の様子には、インターハイ制覇へ向け十分な自信があるようにも見えた。

 なお、決勝進出は逃したものの、シード決定戦で地元の豊見城高校(沖縄県1位)を延長戦の末に下したのは延岡学園高校(宮崎県1位)。試合は第4クォーター終了間際に森下瞬真の3ポイントで追いつき、延長戦の末に勝利を収めた。

豊見城はホームの大声援を受けたが、惜しくも延岡学園に敗戦

 この2日間は九州地区だけでなく、全国各地でブロック大会やインターハイ予選が開催。1カ月後に本戦に臨むチームは最後の調整を、惜しくも夏を逃したチームはウインターカップを見据えて今後も強化を進めていくだろう。

 感動は無限大——。熱い夏がもうすぐはじまる。

【大会結果】
1位:福岡第一(福岡県1位)
2位:福大大濠(福岡県2位)
3位:延岡学園(宮崎県1位)
4位:豊見城(沖縄県1位)

取材・文=小沼克年

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