2019.06.25

大型化を図る明成、様々な選手構成を試しながらも東北大会3連覇…能代工業は新人戦に続く優勝ならず

今年の明成は、山﨑一渉を筆頭に大物ルーキーたちが加入した[写真]=小永吉陽子
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

 6月22日、23日にわたり、「第74回東北高等学校男女選手権大会兼第55回HNK杯」が宮城県総合運動公園体育館(セキスイハウス・スーパーアリーナ)にて開催。男子は明成高校(宮城県1位)が3年連続8回目の優勝を飾った。

 今大会は宮城県が開催地。東北ブロックは前年度優勝校と準優勝校が推薦枠で出場できるため、前年度優勝の明成と準優勝の聖和学園高校(宮城県3位)を加えると、16校中6校が宮城県のチームが占める中で開催された。

 明成は危なげない内容で決勝に進出。もう一方の山では、能代工業高校(秋田県1位)が準決勝で福島東稜高校(福島県2位)との対決を69-68で制する際どい勝ちあがりで決勝へ進出した。決勝で顔を合わせた明成と能代工業は、今季3度目の対戦となる注目カード。東北新人大会では能代工業が81-51と30点もの大差で明成を下して優勝したが、春以降は明成の伸びが著しく、5月の能代カップでは72-65で明成が勝利して1勝1敗。明成は能代カップでは期待のルーキー・山﨑一渉(198センチ)と菅野ブルース(194センチ)が足を負傷してエントリーから外れていただけに、今大会スタートに抜擢された2人の新人に注目が集まっていた。

198センチながらアウトサイドシュートを得意とする山﨑[写真]=小永吉陽子

 出足でリードを奪ったのは明成。1年生の山﨑と菅野がスタート抜擢の期待に応える。山﨑はアウトサイドから、菅野は高速ドライブで積極性を出して流れを作る。対抗する能代工業は主力の1人である秋元淳之介が足を負傷して欠場した分も司令塔の伊東翼が外角から攻めて応戦。第1クォーター終盤に追いつき、21-20で接戦となる。

 しかし、第2クォーターからは明成が主導権をつかむ。山﨑が3ポイントラインより後方から3ポイントを連続して決めて会場からのどよめきを誘う中、要所ではベンチから出てきた司令塔の喜多陸登がスティールからの速攻を決め、キャプテンの木村拓郎がパワフルなドライブでチームに活力を注入しては着実に得点を重ねていく。能代工業は須藤陸と伊東翼ら得点源が3ポイントを決めて何度か迫るも、試合中盤に主力の佐々木駿太が負傷退場したことも響いて失速。終盤に突き放した明成が81-64で勝利した。

2年生ポイントガードの喜多[写真]=小永吉陽子

「1年生2人がケガをしていたため、合流して日が浅い中でよくやった」と明成の佐藤久夫コーチが語る一方で、敗れた能代工業の小野秀二コーチは「明成の3-2ゾーンが攻めきれず、チームプレーが徹底できなかった。理解力はだんだん深まっているので、焦らずにチームを作っていきたい」と大会を総括した。

 それにしても、明成の成長ぶりが目立った大会だった。明成は決勝戦で3ポイント10本を含む41得点をマークした山﨑をはじめ、現時点では厚い選手層を試合ごとに試している段階。完全に仕上がっていない中で東北を制したことに、今後の伸びしろを感じさせるに十分な大会だった。

大会を2位で終えた能代工業[写真]=小永吉陽子

【大会結果】
1位:明成(宮城県1位)
2位:能代工業(秋田県1位)
3位:福島南(福島県1位)
4位:福島東稜(福島県2位)

取材・写真・文=小永吉陽子

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