2019.06.27

桜丘が東海覇者としてインターハイへ、決勝で中部大第一に逆転勝利

4年ぶり2回目の優勝を飾った桜丘高校 [写真]=田島早苗
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 愛知県1位の桜丘高校、2位の中部大第一高校、そして静岡県1位の飛龍高校に2位の藤枝明誠高校と愛知県と、静岡県のチームがベスト4を占めた「第66回東海高等学校総合体育大会バスケットボール競技」。男子準決勝2試合は愛知vs静岡という対戦となった。

 注目の一戦となった中部大第一と飛龍の準決勝は、気合十分の中部大第一がロケットスタートに成功する。逆に「試合にふわっと入ってしまい、(中部大第一に対して)何となく受けてしまっていた」(原田裕作コーチ)という飛龍は、序盤にフリースローのミスなどが響き、開始約5分で1-11と大きく水を開けられてしまった。その後は立て直した飛龍だったが、第1クォーターを終えて17-26と9点のビハインド。第2クォーター以降も必死に食らい付いたものの、試合序盤から主導権を握った中部大第一に付け入ることができず、67-88で敗れた。

巧みなステップからシュートを試みる飛龍の保坂晃毅[写真]=田島早苗

 桜丘と藤枝明誠との準決勝は、堅いディフェンスと速い攻めで藤枝明誠を圧倒した桜丘が前半を終えて41-27と大きくリードを奪う。だが、後半に入ると藤枝明誠も底力を発揮。じりじりと点差を縮めると、第3クォーターには終了間際に速攻からのダンクが決まり、49-54と5点差にまで詰めた。だが、第4クォーターでは決定力で僅かに上回った桜丘が藤枝明誠を突き放し、最後は桜丘が78-67で決勝進出を決めた。

ポイントゲッターとして果敢に攻めた藤枝明誠の菊地広人[写真]=田島早苗

「フリースローなど、決めないといけないシュートを落としていました」とは藤枝明誠の阿部桂コーチ。藤枝明誠は、インターハイ県予選で飛龍に敗れインターハイ出場を逃している。そのため、今大会は「負けの原因が何なのか。もう1回チームで取り組まないといけないと迎えた最初の大会」(阿部コーチ)であった。阿部コーチは、リベンジとなるウインターカップ予選に向けて「1対1の強化と徹底。ボールや人の動きなどをつなげていくための一つひとつのプレーを徹底していきたいです」と、力強く語っていた。なお、3位決定戦ではその飛龍に対し、藤枝明誠が83-65で勝利している。

アウトサイドのシュートに定評のある桜丘の山本星矢[写真]=田島早苗

 “愛知決戦”となった決勝戦。互いに手の内を知る同士ということもあってか、第1クォーターはロースコアの展開となる。それでも第2クォーターからは中部大第一がアグレッシブな攻撃から得点を重ね、前半を10点リードで終える。第3クォーターでも中部大第一は10点リードをキープしたのだが……。第4クォーターになると、疲れからシュート確率が悪くなる。それに対し桜丘は主力数名をベンチで休ませ、「勝負だと思った残り6、7分ごろから出したことが逆転につながった」(江﨑悟コーチ)と、中盤から速攻や3ポイントシュートなどで怒とうの反撃。残り3分を切ったところで同点に追いつくと、残り約2分には逆転に成功。最後までリバウンドシュートや3ポイントシュートにとバランスよく加点した桜丘が、最終スコア66-63で4年ぶりの優勝を決めた。

 これで東海覇者としてインターハイに挑む桜丘。「セカンドメンバーを強化したいです」と、江﨑コーチは夏に向けた課題を冷静に語った。

最上級生として気を吐いた中部大第一の深田怜音は夏に向けてより一層の奮起が期待される[写真]=田島早苗

 一方、敗れた中部大第一の常田健コーチは「どうしても試合の最後の方になるとボールが停滞して、攻め切らないで一人ひとりのボールを持つ時間が長くなってします。(相手はシュートが落ちないけど、こっちは落ちていた。勝負どころが弱い…」と、肩を落とした。

【大会結果】
1位:桜丘(愛知県1位)
2位:中部大第一(愛知県2位)
3位:藤枝明誠(静岡県2位)
4位:飛龍(静岡県1位)

取材・写真・文=田島早苗

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