2019.06.27

チーム力を発揮した湯沢翔北が新人戦に続き東北を制覇…ベスト4は明成、聖和学園、郡山商業

攻撃力を発揮して大会を制した湯沢翔北[写真]=小永吉陽子
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

 6月22日、23日に宮城県総合運動公園体育館(セキスイハウス・スーパーアリーナ)にて開催された「第74回東北高等学校男女選手権大会兼第55回HNK杯」。女子は湯沢翔北高校(秋田県1位)が前身の湯沢北高校時代を含む4年ぶり5回目の優勝を飾った。準優勝は3年ぶりのインターハイ出場を決めた明成高校(宮城県1位)。以下ベスト4は聖和学園高校(宮城県2位)と郡山商業高校(福島県3位)という結果だった。

 湯沢翔北はインサイドの長谷川美加を中心に、4試合平均で100.25点を叩きだすオフェンス力を発揮して決勝に進出。準決勝では昨年度チャンピオンの聖和学園を91-67のハイスコアで破る勢いも見せている。対する明成は、東北新人戦の準優勝チーム、郡山商業との準決勝を64-51の接戦で制して決勝へと勝ち上がった。

 決勝は出足から湯沢翔北のペースだった。浅利千の得点を中心に第1クォーターを17-8でリード。持ち前のボールと人が動くスタイルで相手を翻弄して主導権を握る。第2クォーターに入ると明成が小林杏奈と大久保春花を中心に猛追するが、前半は湯沢翔北が10点リードで折り返す。

湯沢翔北は全4試合で攻撃力を発揮した[写真]=小永吉陽子

 後半に入っても湯沢翔北のペースは変わらない。湯沢翔北はディフェンスの裏を取るクレバーなプレーや確実なボール回しを展開。しっかりとノーマークを作りだしては、ゴール下までボールが回って確実に得点していく。特に20得点の浅利千と19得点の近藤萌がポイントゲッターとして活躍し、ベンチスタートの清川璃子も19点マークするなど、選手層の厚さも光った。明成は20点開いた第4クォーターにプレスディフェンスを仕掛け、終盤には3ポイントで応戦するも、スタミナが続かなかった。湯沢翔北が86-76で勝利し、新人戦に続く優勝を飾った。

20得点を挙げた浅利千[写真]=小永吉陽子

 湯沢翔北の樋渡真コーチは「決勝は重たいゲームになってしまったけれど、ミスがありながらも着実に得点に結びつけられた。東北新人で優勝しているだけに、落としてはいけないゲームを落とさずに勝ちきったことが収穫です」とインターハイに向けての手応えを語った。敗れた明成の安達美紀コーチは「準決勝の郡山商業に勝つことが第一目標にあり、そこで接戦をしたことでやや疲労があった中での決勝だった。小さいからこそ、もっとシュート力を高めなければと見直すことができた」と敗れた中にも収穫を見つけていた。

 湯沢翔北が頭一つ抜けていた東北女子。1強に対して宮城県勢が追う展開だったが、全試合にわたって湯沢翔北のチームプレーの精度の高さが光った大会だった。また、東北新人戦では準優勝ながらも、インターハイ予選では準決勝で敗れた郡山商業がベスト4まで勝ちあがり、意地を見せた。

1カ月後、インターハイに臨む明成[写真]=小永吉陽子

【大会結果】
1位:湯沢翔北(秋田県1位)
2位:明成(宮城県1位)
3位:聖和学園(宮城県2位)
4位:郡山商業(福島県3位)

取材・写真・文=小永吉陽子

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