インターハイの京都府予選で東山高校に71-78で屈した洛南高校。インターハイでその姿を見ることはできないが、実力は全国の上位陣とも十分に渡り合えるだけのものがある。
エースの星川堅信は1年時から中心メンバーとして活躍してきたオールラウンダー。気の優しさがもうひとつ殻を破れない要因ではあるが、1対1の能力は高く、フィジカルを鍛えたことで多少のコンタクトにも負けない強さを身につけた。得点だけでなく、リバウンドやブロックショットでもチームを支える、まさにエースだ。一方で本人は「体を大きくした分、1年生の時にはよかったはずのジャンプシュートの精度が低くなっています。冬までに、さらに上半身・下半身のトレーニングを重ねながら、ジャンプシュートの精度もしっかり戻したいと思います」と語る。
その星川をサポートするのが2年生ガードの小川敦也。188センチながらボールハンドリングに長け、ボディフェイクなどを駆使した切れ味の鋭いドライブを武器とする攻撃型のポイントガード。ドライブからのフローターシュートは必見である。
また近畿大会で目立ったのは3年生シューターの槇野伶と、成長著しい2年生フォワードの浅野ケニー。ともに3ポイントシュートの精度をしっかりと上げてきている。2年生センター、198センチの松山雄亮が強さを身につけ、インサイドで余裕をもったプレーができれば、洛南のチームオフェンスはまだまだ進化できるはずだ。
チームを率いる吉田裕司コーチは言う。
「インターハイ予選で東山を78点に抑えたことは、対留学生のディフェンスとしてもよかったと思います。ただリードして迎えた後半、プレーが消極的になって思いきりのよい攻撃ができなくなってしまった。これが最近勝てていないチームの弱さかもしれません。そこが冬に向けた課題の1つでしょう」
近畿大会で東山が優勝したことにより、京都府に与えられるウインターカップの出場枠(男子)が1つ増えると言われている。そうなれば現在2位の洛南にも出場のチャンスが十分に生まれる。しかし星川は言う。「枠が増えたことはうれしいですけど、僕たちは負けていいとは思っていません。京都府1位としてウインターカップに出たいんです」。
京都府の覇権争いはますます激化しそうだ。
写真・文=三上太