7月28日から8月2日にかけて鹿児島県で行われる「令和元年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。バスケットボールキングでは、“令和初”の高校チャンピオンを決する夏の全国大会を前に、今大会で見るべき注目選手をピックアップした。
■女子注目選手(7)藤田和(3年/岐阜女子高校/岐阜)
スクリーンプレーを多く用い、選手個々が精度の高い動きから得点を奪う岐阜女子高校においてポイントガードはまさに“扇の要”。今年、その役を担うのが3年生の藤田和だ。
岐阜女子の卒業生でもある3つ上の姉・歩(現拓殖大学3年)と同様に、冷静な判断から繰り出されるパスで味方の得点を演出する藤田は、やはりアシストが魅力の選手。だが、今年はそれまで以上に自身の得点にも意欲を見せており、ジャンプシュートやドライブを中心に積極的にリングに向かっている。特に「縦に切って、スピードを意識したドライブ」(藤田)は、取り組んでいる最中とのこと。2月の「第32回東海高等学校新人大会」、6月の「第66回東海高等学校総合体育大会」ではその成果が見られ、ディフェンスとの駆け引きの中で一瞬にして相手を抜いていくドライブを随所に披露していた。
昨年は、U17女子日本代表として「FIBA女子U17ワールドカップ2018」に出場。直後のインターハイでも世界大会の疲れをものともせず準優勝に貢献した。だが、優勝したウインターカップでは足の故障により不出場だったため、今年のインターハイは1年ぶりの全国大会となる。
「ドライブにしても、もう少しファウルをもらえるようにして、バスケットカウントで点を取れるようにしたいです。そうすればディフェンスも寄ってくるし、そこでさらに周りを活かせるので」と、夏に向けての課題を語る。
準優勝となった東海大会では、直前にインサイドの要であるイベ・エスターチカンソ(2年)を体調不良で欠いたことも影響し、決勝の前半こそ肉薄した展開だったが、後半に桜花学園高校(愛知県)に引き離された。「後半の勝負所でシュートを決め切れなかったり、ディフェンスが甘かったりしました。後半にしっかりと粘れるように練習していきたいです」と、藤田。チームをけん引する司令塔は、淡々と試合を振り返りつつも夏に向けて静かに燃えていた。
写真・文=田島早苗