7月28日から8月2日にかけて鹿児島県で行われる「令和元年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。バスケットボールキングでは、“令和初”の高校チャンピオンを決する夏の全国大会を前に、今大会で見るべき注目選手をピックアップした。
■男子注目選手(8)黒川虎徹(3年/東海大学付属諏訪高校/長野県)
「前半はボールムーブや周りを走らせることができたと思うのですが、課題の方がどうしても目立ってしまって。第3クォーターで自分がボールムーブできず、仲間に対してもスペーシングや動かすことができませんでした。このゲームの敗因は自分です」
「令和元年度北信越高等学校体育大会バスケットボール競技会兼第58回北信越高等学校バスケットボール選手権大会」の決勝後、東海大学付属諏訪高校の黒川虎徹は、自身プレーを振り返り、何度も反省の弁を述べた。
その決勝では、前半こそ開志国際高校(新潟県)と接戦を演じたが、第3クォーターで開志国際に一気に引き離されて敗退。黒川自身は、第4クォーターで3ポイントシュートを立て続けに決めて食らい付いたものの、「あれは負けているゲームの中でのショットなので打つしかなかったし、決めないといけないもの。それを前半からやっていかないといけないと思いました」と、冷静に語った。
巧みなドリブルワークに決定力の高いシュート。ディフェンスとの駆け引きがうまく、1対1の能力は抜群の黒川。今年のインターハイでも注目選手の一人であることは間違いないのだが、その黒川が求めるのは、チームを勝たることのできるガード。目標は元NBAプレーヤーのスティーブ・ナッシュ(フェニックス・サンズほか)で、「ナッシュはゲームメイクもできるし、自分で点も取れるから仲間も生かせると思うので、そこを目指したいです」と言う。
北信越大会決勝後、「これからの課題も分かったし、自分たちの持ち味であるルーズボールやディフェンス、リバウンドなどでレベルアップしていけば日本一に辿りつけると思います」と、敗戦に落ち込む暇もなく、黒川は前を向いた。
今年の夏は、華やかなプレーのみならず、ゲームメーク、そしてチームの身上でもある泥臭いプレーを率先して行う黒川のプレーをしっかりと見届けたい。
写真・文=田島早苗