明成、苦しみながらも初戦突破…敗れた飛龍は猛追及ばす2回戦敗退

木村(左)と山崎(右)は、2人で計47得点を挙げた [写真]=佐々木啓次

 7月29日の「令和元年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」大会2日目、この日からは男女ともにシード校が登場。男子第4シードの明成高校(宮城)が、2回戦となる初戦で飛龍高等学校(静岡県)と対戦した。

 サンアリーナせんだいで行われた同試合。飛龍は、試合開始からゾーンプレスを仕掛けて4点を先行する。やや出鼻をくじかれた明成だが、パワーフォワードの木村拓郎(3年)が自らボールプッシュするなどで積極的にアタックして対抗。中盤からはベンチスタートの蒔苗勇人(3年)や加藤陸(2年)などがつないだが、飛龍も力強いドライブと合わせのプレーで得点を重ね、第1クォーターは23-23の同点で終えた。

 続く第2クォーターも一進一退の攻防が続く。しかし中盤、明成は高さを活かしたディフェンスで相手を守ると、1年生の山﨑一渉、菅野ブルースがインサイドで加点して10点のリードを作る。飛竜はタイムアウトを挟んで立て直しを図ったが、前半を終えて41-33と明成がリードした。

 第3クォーター、明成は山﨑がこの10分間で計3本の3ポイントを決めてチーム合計26得点を記録。守っては相手を16得点に抑えて、67-49と突き放した。

 このまま試合を進めたい明成だったが、最終クォーターは猛追に遭い試合終了残り2分30秒の時点で77-71。それでも、同1分44秒から山﨑がドライブからのレイアップ、同38秒にはとどめを刺すコーナーからの3ポイントを沈めて逃げ切った。

山崎は高確率でシュートを沈め、両軍最多の27得点をマーク [写真]=佐々木啓次

 最終スコアは82-71。飛龍は190センチオーバーの選手をそろえる明成に対し、サイズで劣りながらも果敢なドライブを仕掛け続けたが、あと一歩及ばなかった。原田裕作コーチは「積極的というよりかは、無謀に行ってしまったかなと思います。流れが悪い時はボールと人が動いていなくて、ただなんとなく1対1を仕掛けて囲まれるという感じでした」と、敗因を分析。

 一方で、高さのある相手に対し「縦じゃ勝てなかったですけど、横の動きなら負けないんだなと思いました」とも話し、今後へ向けての手応えもつかんだ。「最後のフィニッシュのところは課題として残りましたけど、戦うということを考えた時に『小さいということが武器になった』と思います」。

飛龍は最後まで明成を苦しめた [写真]=佐々木啓次

 辛くも勝利を収めた明成。第4クォーターの試合運びに課題を残したが、1年生の不安定さを上級生たちが上手くカバーした。

 明日以降も一戦たりとも気が抜けない。3回戦は船橋市立船橋高校(千葉県)、東海大学付属諏訪高等学校(長野県)を撃破して勢いに乗る北陸高校(福井県)が相手だ。

文=小沼克年

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