2019.07.30

明星のゾーンを大阪薫英のガードコンビが攻略、接戦を制して3回戦へ

大阪薫英の福田希望は両チーム最多の23得点をゲット[写真]=兼子慎一郎
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 7月29日、いちき串木野市総合体育館で女子2回戦屈指の好カード、第2シードの大阪薫英女学院高校(大阪府)と関東大会準優勝の明星学園高校(東京都)との対戦が行われた。1回戦の高岡第一高校(富山県)との一戦を110-60で快勝した明星は勢いに乗って大阪薫英に挑んだ。

 どのような作戦を仕掛けるか。注目された明星のディフェンスは1-2-2のドロップゾーンだった。トップに位置する選手がボールマンにプレッシャーをかけ、ボールがサイドに回れば、その選手が下がっていくフォーメーションだ。明星は大阪薫英のエース、森岡奈菜未へのパスを遮断するとともに、オフェンスのリズムを狂わせて得点のペースを落とすことに成功した。

 この機に乗じてリードを奪いたかった明星だが、大阪薫英も堅固なマンツーマンディフェンスでそれを許さない。第1クォーターは明星が11-10とリードするもロースコアの展開となる。第2クォーターも明星が17-14とし、前半を28-24で折り返した。

 後半に入るとそれまで鳴りを潜めていた大阪薫英のガード陣が牙をむいた。明星のゾーンのエアポケットを見抜いたようにゾーンの福田希望からコーナーの中村真湖にパスが入るようになる。すると、中村は第3クォーターだけで2本の3ポイントシュートを含む10得点をゲット。福田も2本の3ポイントとジャンプシュートを決める8得点を挙げて反対にリードを奪う展開に持ち込んだ。

明星のゾーンディフェンスに大阪薫英は苦しめられた [写真]=兼子慎一郎

 それでも粘る明星は西本有沙や田中ナターシャ絵里が粘り強くシュートを決めてじりじりとリードを縮めていく。しかし、第4クォーター残り1分10秒に福田がこの日3本目の3ポイントを決めて、接戦にピリオドを打った。

 試合後、取材に応じた明星の椎名真一コーチはオフェンスについて言及。「いつもなら5人が動きながら攻撃するのがうちのスタイル。しかし、今日は攻めが単調で、1対1や単純な2対2ばかり。もっとリラックスして攻めていれば」と悔やんだ。特に大阪薫英がゾーンにアジャストしていなかった前半は「自分たちの方が攻撃回数も多かったのに」と振り返った。

 ポイントゲームを制した大阪薫英は3回戦で高知中央高校(高知県)と対戦。強豪との対戦が続くが、初戦で見せた攻防のバランスの高さは相手チームの脅威となるはずだ。

文=入江美紀雄

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