2019.08.02

大阪桐蔭の佐藤瑠菜、負けたくない気持ちが成長を後押しする

中学時代の同級生とのマッチアップが実現した [写真]=佐々木啓次
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 8月1日、「令和元年度 全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会」は大会5日目を迎え、男女の準決勝が行われた。

 女子の第一試合、大阪桐蔭高校(大阪府)は桜花学園高校(愛知県)と対戦し、45-92で敗れた。それでも3年連続のインターハイベスト4入りである。むろん課題は多く残るが、近畿ブロック大会のときにはコーチも選手も口々に言っていた「メンタルが課題」を克服し、インターハイで準決勝まで勝ち進んだことは、ウインターカップにもつながる大会になったはずだ。

 大阪桐蔭の2年生シューティングガード、佐藤瑠菜は試合後、「実力の差を感じました。もっと努力しなければいけないなって思いました」と振り返る。

 7月31日までは思うように調子が上がらなかったが、桜花学園戦では積極的にゴールへアタックする姿勢を見せていた。そこには負けたくない相手がいたからでもある。佐藤の目の前に立つのは桜花学園の前田芽衣。大阪薫英女学院中学時代の同級生である。佐藤がキャプテンで背番号4、前田が背番号5をつけて、中学の全国大会に出場し、同校を全国のベスト4まで導いている。

積極的にリングへアタックした佐藤 [写真]=佐々木啓次

「私は左利きなんですけど、前田さんはそれを知っているのでドライブに行きづらかったです。それ以外の弱点も知っていて、すごくやりづらかったです」

 中学卒業後はそれぞれ違う進路を選んだわけだが、それでも大阪薫英女学院中学の3年間があるから今の自分があると佐藤は認める。そこにはもちろん苦楽をともにした前田の存在もあり、だからこそ負けたくないという気持ちが自然と高まってくる。

「前田さんとのマッチアップは高校に入って初めてでしたが、新鮮で、懐かしく、楽しめました。でも技術では負けていると感じたので冬までには彼女を越せるように、今度は右ドライブも仕掛けたいと思います」
 
 ウインターカップで同級生対決のセカンドラウンドが実現するかどうかはわからない。しかし負けたくないという気持ちを忘れずに自分を磨き続ければ、チャンスは必ず訪れる。

文=三上太

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