【いきいき茨城ゆめ国体】宮城が地元・茨城を退け決勝へ、加藤陸は15得点20リバウンドの活躍

キャプテンの加藤(左端)を中心に、リバウンドから主導権を握った宮城

 10月7日、日立市池の川さくらアリーナで少年男子の部の「第74回国民体育大会 バスケットボール競技」準決勝が行われ、宮城県が地元・茨城県に最終スコア85-42で勝利。決勝戦へコマを進めた。

 6日の準々決勝では、前半の9点ビハインドから逆転勝ちを収めた宮城。この日の準決勝では昨日の反省を活かし、「自分たちの強さをたくさん出せるようなバスケットをしようと修正して臨みました」と岡崎涼コーチは言う。自分たちの強さとは、試合をやる中で相手の特徴をつかんで対応し、そして相手の弱みを攻めることだ。

 宮城のスターティングメンバーは加藤陸、山崎紀人、菅野ブルース、山﨑一渉(いずれも明成高校)と5人中4人が190センチオーバー。茨城との試合は第1クォーターを15-10とすると、次の10分間はリバウンドから自分たちのペースをつかんで徐々に引き離すことに成功。山崎紀人のバスケットカウント、終盤には山﨑一渉の連続3ポイントも飛びだし、38-19で試合を折り返した。

 後半に入っても終始主導権を握ったまま試合を進めた宮城は、茨城の45本に対し58本のリバウンドを獲得。中でもキャプテンの加藤は、両チーム最多の20リバウンドに加え15得点を挙げる活躍を見せた。

「出だしから自分たちの流れに持っていって、リバウンドやルーズボールの部分でも支配できたのはよかった」と、加藤は試合を振り返ったが、自身の出来については「あまり満足はしていない」と厳しい評価を与えた。「ルーズボールで甘い部分があったり、ドライブで攻められるところもあった」と、明日の決勝へ課題を残したようだ。

 また、オフェンスでは試合開始から積極的にドライブでアタックした菅野、インサイドで体を張り続けた山崎紀人がともに17得点を記録。得意の3ポイントは12本中3本成功にとどまったものの、山﨑一渉は19得点をマークし攻守が噛み合った。

計12本の3ポイントを放った山﨑一渉

「自分が全国の決勝まで進んだのは初めて」と明かした加藤は、打倒福岡へ向け「気持ちの部分がしっかりしないと優勝できないと思います。今日みたいにディフェンス、リバウンド、ルーズボールを徹底して、オフェンスでも積極的にアタックしていきたい」と意気込む。一方の岡崎コーチは、「相手どうこうではなく、まずは自分たちが練習してきたことを出せるように。選手たちを信用して、思いっきりプレーできるような環境を僕が作れればと思います」とコメントした。

 宮城は2000年に行われた第55回大会を最後に国体制覇から遠のいている。「速さもあり、高さもある」(岡崎コーチ)相手を退け優勝を手にできるか。8日の決勝戦は、9時30分ティップオフだ。

■試合結果
宮城 85-42 茨城(@池の川さくらアリーナ)
宮城|15|23|22|25|=85
茨城|10|9|13|10|=42

取材・文=小沼克年

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