2019.12.09

【ウインターカップ注目選手】宇都宮陸(報徳学園)「一瞬の隙も逃さないスピードスター」

スピードが最大の武器の司令塔・宇都宮[写真]=佐々木啓次
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

12月23日から武蔵野の森総合スポーツプラザとエスフォルタアリーナ八王子で幕が開ける「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度から出場チームが例年の男女各50チームから60チームに拡大し、頂点までの道のりは一層険しくなった。そんな高校バスケット界最高峰の大会を前に、バスケットボールキングでは今大会で注目すべき選手を紹介していく。

■ウインターカップ男子注目選手(4)宇都宮陸(2年/報徳学園高校/兵庫県)

 近年、着実に力をつけてきている報徳学園高校の2年生ガードが宇都宮陸だ。

 身長は175センチと決して大きくはないが、最大の武器ともいうべきスピードで積極的にゴールへアタックしていく。さらにディフェンスとの駆け引きもうまく、ディビット・コンゴローとのピックプレーは本人も自信を持っている。ディフェンスの状況を見て、自らがドライブするのか、それともミスマッチになったディビットを使うのか。

 もちろん、そのもう1つ先のプレーを選択する力もある。ディフェンスにとっては起点となる宇都宮をいかに抑えるかがポイントになりそうだ。

ディフェンスでは相手の隙きを突くスティールを披露する[写真]=佐々木啓次

 チームとしてはさまざまな戦術を使ったハーフコートオフェンスを持ち味とするが、宇都宮はディフェンスでの“読み”にも優れ、相手のボールを一瞬でスティールする力を持っている。そこからトランジションバスケットへと展開することもできるため、宇都宮にマッチアップされた選手は、オフェンスでも気が抜けない。つまり宇都宮は報徳学園の“攻守におけるキーマン”というわけだ。

 課題は自ら少ないと認めるアウトサイドシュート。その精度を少しでも上げることで彼自身が持つスピードはさらに輝きを増すだろう。

 チームは昨年のインターハイでベスト16、昨年のウインターカップでベスト8、そして今年のインターハイでベスト4と順位を上げてきている。第4シードとして臨む今大会はブロック内でターゲットにされていることも想像に難くない。一つひとつのチームを撃破し、もう1つ上のステージに登れるか。

 “スピードスター”宇都宮がその先陣を切る。

文=三上太

ウインターカップ2019のバックナンバー

BASKETBALLKING VIDEO