2019.12.11

【次世代の主役に迫る②】平下愛佳(桜花学園)「井上先生を絶対に胴上げしたい」

今大会ナンバーワンプレーヤーの呼び声高い平下[写真]=Basketball King
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

バスケットボール界の冬の風物詩とも言えるウインターカップが、いよいよ12月23日に開幕する。令和元年を締めくくる「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」では、どんな選手が大会を彩ってくれるのか——。ここでは、ウインターカップから世界へと羽ばたいてほしい次世代の主役たちに迫った。

【次世代の主役に迫る②】
平下愛佳 桜花学園高校3年(愛知県)/177センチ/SF

ウインターカップでは男女合わせても歴代最多の21回という優勝回数を誇り、高校バスケット界において群を抜く成績を残す桜花学園高校。その名門チームの中で、オールラウンドに得点ができるスキルと勝負強さを持つ平下愛佳は1年生の頃から主軸を担ってきた。そして最上級生となった今年はキャプテンにもなり、名実ともにチームのエースに。だが、その平下も過去2年間、ウインターカップではファイナルの舞台に立っていない。冬のチャンピオンの座を誰よりも渇望している平下の思いとは。

インタビュー=田島早苗

インターハイでの悔しい経験を踏まえ個人技を磨く

――今夏のインターハイでは昨年に続いて優勝を果たしました。
平下 決勝は私がフェイスガードされていて、なかなか前半は点が取れなかったのですが、下級生たちがすごく頑張ってくれて。それで良い流れになったと思います。良い流れになったら、私も段々と点が取れるようになり、最後は桜花らしいバスケットで勝てたと感じています。

――インターハイを経て見えてきた自身の課題はありますか?
平下 フェイスガードされた時に思うようにプレーできなかったことが一番悔しかったので、フェイスガードをされてもいろんな技で抜いたり、きついプレッシャーがあってもしっかり点を取ったりしたいと思いました。オフェンスで単純なプレーが多かったので、(冬に向けて)少し個人技を入れて。1対1もより工夫してシュートまで行くようにしてきました。

――話は変わりますが、桜花学園に入ったキッカケは何だったのでしょうか。
平下 ポラリス(中学時代に所属していたクラブチーム)の時から全国優勝を狙っていて、中学2年生の時に優勝はできたのですが(全国ジュニアバスケットボール選手権大会)、高校でも優勝したかったので、桜花に行きたいと思っていました。

――愛知県出身の平下さんにとって憧れの存在だった。
平下 はい。中学の時も練習試合をさせてもらっていたのですが、その時から桜花の選手は一人一人が攻める気持ちや能力が高くて。自信を持ってプレーしているというのが印象にあり、『桜花に入ったら上手くなるだろうな』と思って見ていました。

実際に入学しても、その時は3年生の山本麻衣さん(トヨタ自動車アンテロープス)や藤本愛瑚(JX-ENEOSサンフラワーズ)さんがリーダーシップを取ってやっていたので「やっぱりすごいな」と思いました。

――ただ、試合には1年生の時から出ていました。
平下 1年生のインターハイ決勝で3ポイントシュートを決めることができたのですが、そこで少し自信が付いたというか。そこからは試合にもっと出たいと思うようになりました。

――どんな3年間でしたか?
平下 1年生の頃から試合に出させてもらったことで経験を積むことができました。今年はキャプテンもやらせてもらい、今まで自分に足りなかったリーダーシップも必要とされるようになりましたし、選手としてすごく成長できた3年間でした。

――桜花のキャプテンになるには覚悟も必要だと思います。
平下 昨年のウインターカップで負けた後すぐに名古屋に帰ってきたのですが、その時に新チームのキャプテンは誰がやるのかという話になりました。1年生の時から試合に出させてもらっていたので、自分しかいないなと思い、井上(眞一)先生にやりますと言いました。

 中学の時は、キャプテンといっても活躍していればOKというところがあったのですが、桜花のキャプテンは点を取るのは当たり前でディフェンスをやるのも当たり前。そこにプラスしてチーム全体を見て、「ここができてない」「ここをこうしよう」とか言わないといけないと思っています。

「活躍できた」と胸を張って言えるように終わりたい

――3年間で唯一優勝を経験していないのがウインターカップです。
平下 ずっと決勝のコートに立ちたいと思っていて、1年生の準決勝で負けた時も個人的には何もできないまま終わっていて、2年生の時もあっという間に試合が終わって…。「自分、何もしていないな」という思いがあるので、今年はしっかりと自分が点を取って、ディフェンスもマッチアップの相手にプレッシャーをしっかり掛けるように。自分が「活躍できた」と胸を張って言えるように終わりたいと思います。

――冬も相手のディフェンスは厳しくなります。
平下 インターハイでもフェイスガードされたし、プレッシャーが来るのは当たり前だと思うので、その中で自分のプレーができるように。元々得意なのがリバウンドとストップジャンプシュートなので、得意なプレーは生かしながら1対1で個人技を使えるようにしたいです。

――井上コーチとも最後の大会です。
平下 先生はコートの中ではすごく厳しいのですが、コートの外に出ればみんなとコミュニケーションを取ってくれます。すごく愛を感じるので、先生を絶対に胴上げしたいです。

――最後に抱負をお願いします。
平下 個人としてはどんなにプレッシャーが強くても点を取り、キャプテンとしてリーダーシップも取ること。チームではコートの中でコミュニケーションを取りながら桜花らしいディフェンスからブレイクを出して3冠獲得をしたいと思います。

ウインターカップ2019のバックナンバー

BASKETBALLKING VIDEO