2019.12.18

【ウインターカップ注目選手】森岡奈菜未(大阪薫英)「ゴール下での働きがカギを握る大黒柱」

森岡はインサイドでもアウトサイドでも得点できる器用さを持つ[写真]=佐々木啓次
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

12月23日から武蔵野の森総合スポーツプラザとエスフォルタアリーナ八王子で幕が開ける「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度から出場チームが例年の男女各50チームから60チームに拡大し、頂点までの道のりは一層険しくなった。そんな高校バスケット界最高峰の大会を前に、バスケットボールキングでは今大会で注目すべき選手を紹介していく。

女子注目選手(8)森岡奈菜未(3年/大阪薫英女学院高校/大阪府)

 大阪薫英女学院が誇るオールラウンドなエースが森岡奈菜未だ。インサイドでもアウトサイドでも得点できる器用さを持ち、今大会に向けては3ポイントシュートにも取り組んでいる。181センチの高さを生かしたリバウンドも強く、ファストブレイクでは先頭を切れる走力もある。スピードのミスマッチが生じれば、ドライブで果敢にアタックすることも。

 ただそうした器用さが仇となり、不要なときにアウトサイドに出てしまったり、ディフェンスを避けるようなシュートを打ってしまったりと、今シーズンはそうした課題にも直面した。しかしいくつかの負けを喫したことで、それらの課題に真摯に向き合い、夏以降はインサイドを第一に考えられるようになった。文字どおりの“大黒柱”としてようやく独り立ちしたと言っていい。

今年はキャプテンとしてもチームを引っ張る[写真]=佐々木啓次

 この森岡をはじめ、今年の3年生は真面目な選手が多く、それだけに瞬発的な爆発ができず、それを下級生に頼ってきた。しかしこれも少しずつ3年生が率先して得点を取りに行くという姿勢に変わりつつある。ウインターカップではその集大成を見せたい。キャプテンとしてだけではなく、森岡にはプレーでの“リーダーシップ”も求められる。

 前回大会は主力としてファイナルまで勝ち進んだが、頂点にはたどり着けなかった。今夏のインターハイでもベスト4に入るなど、今大会のメインコートまで勝ち上がる力は十分にある。高校女子バスケット界ではその名を知られた大阪薫英女学院だが、実はまだ一度もウインターカップを手にしたことがない。

 悲願の初優勝へ――。森岡の強気なインサイドアタックがその道を開く。

文=三上太

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