4年連続6回目のウインターカップに臨んだ八雲学園高校(東京都)。同校は「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の大会初日に精華女子高校(福岡県)と対戦し、64-100で敗れた。
「精華女子はシュートも正確だし、樋口(鈴乃)と三浦(舞華/ともに3年)が安定している。チームワークもいい」。八雲学園の高木優子コーチは、大差をつけられて敗れた相手をそう評価し、「吉田がマークされちゃて……。予測はしてましたけど、がっちりマークされましたね」とも話した。
高木コーチが名指しした吉田は、同校のキャプテン・吉田眞子(3年)。下級生の頃はポイントガードとして主軸を担っていたが、今年は「吉田をガードにしてると点数が取れない」(高木コーチ)という事情からスモールフォワードに主戦場を移し、得点源としてチームを引っ張ってきた。
しかしこの日は、指揮官の言葉どおり相手のマークを振りきれず。最終的に23得点を挙げたももの、前半のフィールドゴールは15本中の成功は2本のみと影を潜めた。この出来には吉田も肩を落とす。「抑えてくるのはわかっていたのでそれを振りきる練習もしていたんですけど、振りきれなくて……。前半はほぼ何もできず、それが敗因だと思います」
吉田が高校入学後、八雲学園には奥山理々嘉(現JX-ENEOSサンフラワーズ)がいた。奥山は当時2年生だった2017年のウインターカップで1試合62得点を叩きだし、女子の1試合最多得点記録を更新したスーパーエースだ。チームもその年に初のベスト4進出を果たしている。
「去年までは奥山さんが安定して点数を取ってくれていたので、自分は周りを活かすプレーを意識してやっていました。今年は自分が得点を決めなきゃいけない立場になって、奥山さんのような活躍を目標にがんばってきたんですけど、全然及ばなかったなという印象です」
今年の八雲学園は下級生主体のチーム。先発メンバーも吉田以外は1、2年生が並び、キャプテンとしてチームをまとめ上げることも苦労したという。吉田はこの1年をこう振り返る。
「八雲中学でもキャプテンをやっていたんですけど、高校になってキャプテンの大変さを初めて知ったくらいチームをまとめるのが大変でした。あまり人に指示を出したりするのが得意ではないので、プレーで引っ張っていこうと1年間やってきたつもりですけど、それもうまくいかなかったです」
今年のインターハイは、予選で敗れ不出場となった八雲学園。しかし、ウインターカップでは明星学園高校、東京成徳大学高校とともに予選を勝ち抜き、地元・東京の地へ戻ってきた。
「負けてる時も上の応援席から声を出してくれていたので、それにはすごい元気づけられました。これからは今まで以上にシュート力とディフェンス力をつけて、もっと活躍できるように頑張りたいです」
高校最後の大会は1回戦負けという結果に終わったが、最後は3年間ともに過ごした仲間への感謝を示した。
“生粋の八雲育ち”である彼女のバスケット人生はこれからも続く。ずっと抱いていた夢を叶えられる、八雲から少し離れた場所で。
文=小沼克年