昨年のウインターカップ決勝カードでもある福岡第一高校と福岡大学附属大濠高校。全国でも常に優勝を争う両チームは、「令和2年度福岡県高等学校バスケットボール選手権大会・福岡県大会兼ウインターカップ2020第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会・福岡県予選」でも圧倒的な強さを見せて勝ち上がり、決勝リーグも無敗で最終日を迎えた。
ウインターカップの出場枠は県代表枠と九州ブロック枠の2枠がある今年の福岡県男子。そのため、両者ともにウインターカップ出場を決めて臨んだ決勝戦、第1クォーターでは、福大大濠は司令塔の平松克樹(3年)を起点に、一方の福岡第一はキエキエ・トピー・アリのインサイドを中心に得点を重ねていく。第2クォーターに入ると福岡第一が要所で3ポイントシュートを沈めてリード。そのまま前半は37-29と福岡第一が8点リードで終えた。
第3クォーター、追いかける福大大濠がじりじりと点差を詰めていく。開始から約3分には平松のキックアウトから西田陽成(3年)が3ポイントシュートを沈めて同点に追いついた。
だが、「リードされたらタイムアウトを取ろうかと思いましたが、そこからよく彼らの力でしのいだなと。タイムアウトという力を借りないでもう一度離せたことはいい経験になったと思います」と井手口孝コーチが振り返るように、ここから福岡第一はアリを中心にインサイドで加点。さらにはリバウンドやニュートラルボールを果敢に拾ってからの速攻などで再度点差を広げると、終盤には砂川琉勇(3年)が要所で3ポイントシュートを沈めて63-43と20点差を付けた。
第4クォーターもハードなディフェンスを披露した福岡第一。松本宗志(3年)の3ポイントシュートもあり、福大大濠の追随を許さず最後は88―61で勝利した。
第3クォーターでの攻防がポイントとなったこの試合。敗れた福大大濠の片峯聡太コーチも、「第3クォーター半ばから終わりの持ちこたえないといけないところで崩れていってしまったのが一番の弱さだと思うし、逆に福岡第一さんの強さだと思います」とコメント。福岡1位の座を懸けて戦った両者は、それぞれにこの試合で得た課題と収穫を元に、次は冬の全国大会での頂点を争うこととなる。
【最終順位】
優勝 福岡第一
準優勝 福岡大学附属大濠
3位 中村学園三陽
4位 祐誠
文・写真=田島早苗