2020.11.20

【ウインターカップ2020注目校】福岡第一(福岡)「3連覇達成校として歴史に名を刻めるか!?」

大会3連覇を目指す福岡第一[写真]=バスケットボールキング
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 12月23日から29日の期間、都内で開催される「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度はインターハイ、国体も中止となったため、ウインターカップが最初で最後の全国大会となる。バスケットボールキングでは冬の日本一を決定する大会での注目チームをピックアップし、紹介する。

■ウインターカップ男子注目校(1)福岡第一高校(福岡県)

 ウインターカップで3連覇を達成したことがあるのは、前身の“春の選抜大会”を含めて、男女で4校しかない。男子の県立能代工業高校(秋田)、洛南高校(京都)、明成高校(現・仙台大学附属明成・宮城)、そして女子の桜花学園高校(愛知)である。「ウインターカップ2020」では、福岡第一高校(福岡)がその偉業に挑む。

 簡単なことではない。それでもなお今年の福岡第一には3連覇を狙える力はあると言っていい。軸になるのはハーパージャン・ローレンス・ジュニア(3年)とキエキエ ・トピー・アリ(3年)だ。ポイントガードのハーパージャンは縦への突破力があり、得点でもアシストでも自在に生み出せる。センターのアリは攻守においてチームの大黒柱へと成長している。チームの根幹ともいうべき“センターライン”が形成できているところに、まずひとつ、今年も福岡第一が強い要因はある。

 加えて、昨年にない武器もある。ガード陣の豊富さだ。ウインターカップ2020の福岡県予選でハーパージャンとコンビを組んだ佐藤涼成(2年)はハンドリング力が高く、アグレッシブなアタックができる。ハーパージャンとともにキャプテンの松本宗志(3年)はディフェンス力に定評があり、オフェンスでは3ポイントシュートで援護射撃をする力を付けてきている。シューターの砂川琉勇(3年)と、ハンドラーの當山修梧(3年)もベンチで常にスタンバイをしている。この4人は誰がスタメンになってもおかしくないほどの実力を持っており、井手口孝コーチがどういった組み合わせにするのか、楽しみである。

 一方でハーパージャンを含めた5人のガード陣は、いずれも170センチ台というデメリットも垣間見える。しかしハーパージャンはそれこそが今年の強みだと胸を張る。

「昨年と違う今年の強みは3ガードです。3人が小さくても、小さいからこそもっと走れる。最初に出たメンバーが激しくプレーしても、控えがいるので、自信を持って、激しいディフェンスができるところが今年の強みなんです」

ディフェンスに定評のある松本宗志[写真]=バスケットボールキング

 そうなると高さが気にかかる。今年の福岡第一が高さの面で頼れるのは200センチのアリしかいないのではないか。確かにアリの高さは目立つが、4番ポジションで起用されている早田流星(2年)は、182センチながらフィジカルコンタクトを嫌がらない、文字どおりの“パワーフォワード”である。相手が高さを生かそうとしても、フィジカルコンタクトでそれを封じることもできる。またバックアップには、発展途上だが200センチのニャン・アマドゥ・マクター(1年)や、188センチの星賀舞也(2年)もいる。彼らの成長次第では、福岡県予選よりもさらに強力なチームになって、ウインターカップ本戦を迎えることになりそうだ。

 福岡第一もまた、他のチームと同じように、例年と比べて試合の絶対数が少なかった。これまで見えていなかった課題に直面した時、チームとしてどう対応するか。トーナメントを勝ち進む上で重要な要素である。松本は3連覇のカギをチームのモットーである「堅守速攻を突き詰めること」と言った。そこにゲームの中での対応力が加われば、十分に歴代5校目(男子では4校目)の3連覇達成校として、その名を大会史に刻めるはずだ。

文=三上太

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