2021.06.28

ディフェンスから勝利を呼び込んだ洛南が3年ぶりに近畿大会優勝

ポイントゲッターとして積極的に攻めた洛南の大西一輝[写真]=吉田孝光
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「令和3年度 第68回近畿高等学校バスケットボール大会」が京都府にて行われ、男子は洛南高校(京都府)が3年ぶりの優勝を果たした。※昨年度は新型コロナウイルスにより中止。

 3日間にわたって行われた今大会、準決勝へと進んだのは洛南、近畿大学附属高校(大阪府)、報徳学園高校(兵庫県)、東山高校(京都府)となった。

 準決勝で兵庫県1位の報徳学園と対戦したのは洛南。出だしは一進一退となる中、中盤に連続得点を挙げた洛南が僅かにリードして第1クォーターを終える(25―20)。

 杉信イフェアニ(3年)が攻防においてタフなプレーを見せた洛南は第2クォーターでもペースをつかむと、前半を終えて47―32と2ケタリードを奪って試合を折り返した。

 一方、追いかける報徳学園は後半、テーブス流河(2年)が3ポイントシュートを連続で沈めるなど食らい付いたが、洛南のハードなディフェンスの前に大量得点を奪うまでにはいかず。

「前半の3ポイントシュートが18分の0。それがしんどかったです。それでも、10点ぐらいで付いていったので、どこかで自分たちのペースをつかめればと思ったのですが、ズルズルとそのままいってしまいました」(報徳学園・田中敬コーチ)と、最後は69-95で敗退した。

近畿大会ではベスト4となった報徳学園[写真]=吉田孝光

 もう一つの準決勝、近畿大附と東山との一戦も出だしは拮抗とした状態に。だが、第2クォーターで東山の得点を9得点に抑えた近畿大附が前半を終えて41-33と8点のリードを奪う。

 しかし東山も後半に反撃。エース・西部秀馬(3年)を中心に一時は逆転に成功する。だが、近畿大附はバランス良いオフェンスを展開。再逆転に成功すると、第4クォーターでは相手の戦意をくじくような3ポイントシュートが適時に沈めて、勝負あり。最後は85-62で東山を突き放した。

 京都府予選で洛南に敗れてインターハイ出場はならなかった東山。下級生が育ってきたこともあり、核がまだ定まっていないという。「ポイントを絞っていろんなことをやっていかないといけないと改めて思った大会でした」と大澤徹也コーチ。冬に向けては「(夏の間に)完成形を作り、冬には形として残せれば」と再起を誓っていた。

東山をけん引する3年生の西部秀馬[写真]=吉田孝光

3年生を中心にバランスの取れた布陣で挑んだ洛南

 洛南と近畿大附との決勝戦。序盤にリードを奪ったのは髙畑慶次郎(3年)らのシュートが決まった近畿大附。しかし、洛南も大西一輝(3年)が入れ返すと杉信のドライブなどで第1クォーターを5点リードする。第2クォーターでは互いに得点が伸びなかったが、洛南が36-25と11点差を付けて前半を終えた。

 後半、出だしに好スタートを切ったのは洛南。速攻にリバウンドシュートにと内外でバランスよく得点を挙げて一気に近畿大附を突き放す。近畿大附は、最後までコートに立った選手たちがリングに向かったが洛南を捉えることはできず。大西が19得点、杉信と星川開聖(2年)が15得点を挙げた洛南が73-54で勝利した。

2018年以来の近畿大会優勝となった洛南[写真]=吉田孝光

「コロナ禍でなかなか練習試合ができなかった中、苦しい試合も修正しながら勝ち切ることができ、優勝できたことはインターハイに向けて自信になると思います。ただ、全国で上位に行くためはこのままでは…。洛南らしい粘り強さを少しでも強化していきたいです」と優勝に笑顔を見せながらも吉田裕司コーチは全国大会を見据えた。

 洛南は今大会、河合祥樹アシスタントコーチが指揮を執った。今年度のチームより、練習から河合Aコーチを中心にチーム作りを行っており、吉田コーチとタッグを組みながら夏に挑む予定だ。

 その河合Aコーチは、近畿大会優勝に「ホッとした」としながらも、「うちが徹底できてないときに、相手がミスしたり、シュートを落としたりというラッキーなことが続いていました。あの戦いぶりでは(インターハイの)初戦が怖い。どこにでも負ける可能性のあるチームだと思います」と厳しいコメント。自身も洛南高校出身で全国の頂点を目指してきたからこそ分かる厳しさを、後1か月、選手たちに伝えていく構えだ。

 一方、敗れた近畿大附の大森健史コーチは、「シュートが入り出したら10点ぐらいはすぐ詰まるのでそれを待っていたのですが、疲れが…。東山、洛南に連続で勝つのは厳しいですね。最後までシュートが来なかったの残念ですが、よく頑張ったと思います」と試合を振り返った。それと同時に「セカンドチームが頑張れるようになった」ことを収穫に挙げていた。

近畿大学附属の髙畑慶次郎はシュート力の高さを披露した[写真]=吉田孝光

写真=吉田孝光
取材・文=田島早苗

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